占い

超時空伝説研究所

「7」だけは避けて下さい

「あなた! 待ちなさい! あなたっ!」

「えっ? 俺のこと?」


 飲み会終わりの11時過ぎ、俺は街角で呼び止められた。


「そう、あなた! 占って上げるからこっちに来なさい!」


 見ると確かに占い師だ。筮竹やら水晶玉やらタロットカードなどが小さなテーブルの上に並んでいた。


「占いとか信じないんで。いいっス」


 立ち去ろうとすると、追いすがって来た。


「そのまま行ったら大変なことになるよ? お金は要らないから、占いを聞いて行きなさい」

「えっ、ただなの?」


 無料だと言われたこと、異常なほど必死に止められたこと、そしてちょっとタイプのお姉さんだったことで気が変わった。


「ただなら、良いかな」


 俺は引っ張られるまま椅子に座らされた。


「生年月日は?」

「2000年の6月30日」


 聞かれるままに応えると、占い師はぴたりと止まって俺の顔を見て来た。


「ギリギリですね」

「えっ、何が」


「もし生まれるのが1日遅かったら、7月1日生まれになるところでした」

「そうだけど」

「『7』はダメです!」


「あなたは『7』という数字に出会うと、とんでもない不幸に巡り合う運命にあります」

「えーっ? 何それ。ラッキーナンバーの逆?」

「あなたのアンラッキーナンバーは『7』です」


「何だよ、アンラッキーナンバーって?」

「ラッキーがあるならアンラッキーだってあるの!」


「だって、これまでいくらでも『7』と出会って来てるよ?」

「気軽に『7』、『7』って言うな! アンラッキーが強まる!」


「大袈裟だよ。じゃあ、何に気を付けたら良いの?」

七味・・ですね」

「唐辛子?」


「7人で七福神の社で七五三祝いをした帰りに7時から七面鳥の肉を七輪で焼いて食べても良いんですが、七味だけは絶対に振らないで下さい」


「さっき食べて来たよ?」

「ああ! 手遅れだー!」


「そうすると、どんな悪いことがあるのさ?」

「滅茶苦茶七面倒くさい奴に引っ掛かります!」


「お前だよ!」

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