走りたい意思と、走るために生まれてきた動物と

 青春小説である。
 いや、筋肉の話ではあるのだ。
 けれども痛いほどに前を目指す意思、勝てないとわかっていながらもともにフィールドを駆け抜けたいと思う意思を表現するこの作品は、眩いばかりの青春以外のなにものでもない。

 無謀のために鍛え上げ、無謀に挑戦し、無謀であることを諦めない。
 素晴らしい筋肉の躍動とともに表現された熱い青春を、楽しめる短編。