第10話 最後のデート…1

 冬休みに俺はデートの約束をしたのだ。おそらく最初で最後になるかもしれない。


それでどこに行くかというと水族館である。遊園地などのアトラクションがあると体調の悪い俺は必然的に無理をして乗らなければならなくなるしすぐ帰ることになってしまうことだろう。


だからこその水族館になったのだ。医者からの許可をもらい今日は久々に外に出る。

今日の天気は快晴でまるで俺たちのデートを祝福しているかのようだ。


今日のデートが俺は楽しみで楽しみで夜しか眠れなかった。

最近たまに不安になる時があるんだ、寝てしまってそのまま死んでたらって考えてしまう時がたまにある。今はデートを考えているおかげで大丈夫だ。


今日は朝から早めに出るから朝ご飯を少しでも多く食べたい。気分よく何事もなく今日1日が過ごせるのだろうか今日だけでも元気でいたいな。


真紀に心配をかけてしまうからね。点滴もしたし,ゆっくりだけどご飯がいつもより食べられたし今日はいつもよりかドキドキしているけど体調はまだいいほうだと思う。


そんな感じで車いすで押してもらいながら車に乗り込む。


その道中でいろんな雑談をした好きな曲の話だったり,好きな芸能人の話,好きな食べ物の話などしていた。


途中にトイレ休憩などを挟みながらちなみにしりとりをしている。

進んだところから始まるよ…


「ルコウソウ」


「ソウル」


「ルール」


「縷縷」(るる)


「ルーン」


見事にる攻めをされてしりとりに負けてしまった。悔しかったがしょうがない。しりとりはなんとか30分粘ることができたから善戦できたと思うんだ…


***


それから、俺たちは車の中で映画を見ていた。着くまでの2時間半ぐらいの時間はある意味新鮮な感じだった。普段車の中で映画を見ないからね。


そして、水族館に到着した。

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