「永吉が手を握ってくれた」

 俺は家を組み立てるのに集中していた。

「2段目。木の床の方がいい感じになるかな……」

 試行錯誤を繰り返しながら2階の床を置いてみた。

「……んんっなんか違うな」

 何が足りない気がする。

「ご飯、ご飯……」

 木葉はというと防具を強化したあと食料を集めていた。

「ねぇ、この後、洞窟に探索しない?」

「んっ……そうだな洞窟に行くかな」

 何かしてれば多分インスピレーションが浮かぶかもしれない。

「ちょっと待って準備するから」

 俺は自分の荷物を整理し、洞窟を行く物だけを持って木葉のキャラに近づいた。

「準備出来た」

「わかった」

 すると木葉の手が止まった。

「…………っ」

「どうした?」

「……え⁉︎」

 物凄い顔を真っ赤にしていた。

「あっ……えっとやりたいこと今から言ってもいい?」

「んっ? どうぞ」

「手を繋ぎたい」

「……えっ!?」

 思わずドキッとしてしまった。

 木葉と手を繋ぐ……なんて小さい頃にちょっと触ったぐらいだ。

「……だ、ダメだよね?」

 ジッと俺の手の方を眺めていた。

 木葉と手を繋ぐなんて……。え、いいの?

「俺で良いの?」

「お、お試しだけどそれでも手は繋ぎたい……」

 木葉が少し視線を下の方に向けながらこっちの方をチラチラと見てきた。

「……っ」

 木葉の顔を見るたびに心臓がバックンバックンと風船を思いっきり膨らませてそのあと空気を抜けていくがまた思いっきり風船を膨らませてくる。そんな感覚だった。

「わっわかった……」

 恐る恐る……俺は木葉の手の方に伸ばし、小指が木葉の手に当たった。

「――っ」

 木葉き触っているという意識をしただけで物凄く心臓が鳴り響き。

「……」


 ゴクリッ。


 唾を飲み込み俺は木葉の手を、思いっきり握りしめていた。

「あっ……!!」

 木葉の声を聞くたびに意識してしまい変になりそうだった……。

「……」

 俺は視線を下の方に向けて、手の感触だけでずっと握りしめた。

 木葉の顔をずっと見ていたら変になりそう……。

「――っ!」

「……」

 お互い無言のままだったが自然と手をお互い離していた俺は木葉と手を繋いだ手をジッと見つめていた。

「あっ……」

 うあぁぁっ! 柔らかい! 物凄く嬉しいどうしよう!?

 木葉が触ってくれたと意識するだけで手がジンジンとしていてめちゃくちゃ熱かった。

「……手っ! 永吉が手を握ってくれた。あわわっ!! どうしよう、どうしよう!?」

 木葉とどうゆうに騒いでいた。

「し、幸せなんだけどどうしよう永吉……。永吉はどうなの!?」

 物凄い顔を真っ赤にしていた。

「おっ、俺も幸せ……」

「あぁ………し、幸せか」

 物凄い顔が真っ赤でヤカンでお茶でも沸かせんじゃないかと言うほど煙を出していた。

「――っ!」

 こっちまで意識してしまい。本音を言うと気絶してしまいそうなほど幸せだった……。

「とりあえず……ゲームの続きをするか」

「え、そうだね。ゲームでもしよう……あっ」

「……ん?」

 木葉がゲーム画面を見てみるとお互いモンスターに倒されてしまっていた。

「……とりあえず洞窟を頑張って攻略しようか」

「うん」

 木葉が頷いた。

 その後アイテムは無事回収をして洞窟で素材をモリモリと集めまくった。

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