小説の筋肉【KAC20235・筋肉】

カイ.智水

小説の筋肉とは

 小説には筋肉が必要だ。

 実際一流エンターテインメント作家の村上某氏はランニングが日課なのだといわれている。


 私も睡眠導入剤を飲んでから寝るまでの間に軽い筋トレを欠かさない。

 しかしそれは単に体調をフラットに保つためであり、毎日ムラなく執筆するための儀式にも等しい。

 筋トレが目的と化してしまったら、もはや小説家を目指すべきではないだろう。


 そして小説家にとって、物理的な「筋肉」が必要だとは思えない。

 体調をフラットに保つ以外に、効果があるとは考えづらいからだ。


 では「小説に必要な筋肉」とはなにか。


 「ひらめきの瞬発力」だろう。


 小説は執筆時間が限られている。僕もそうだし他の人もそうだ。

 延々と書き続けるだけの時間的余裕のある人なんていやしない。

 いたらただの暇人か病人だけである。


 限られた時間の中では「ひらめきの瞬発力」つまり「思考の筋肉」が威力を発揮する。

 今日も『カクヨム』の「KAC2023」の第5回のお題「筋肉」について、「思考の筋肉」をフル稼働して777文字を目指して書き込んでいる。


 この777文字は、長いようでかなり短い。キリ番狙いなら1000文字が妥当ではないか、と考えるのだが、運営さんとしてはより多くの人に参加してほしいから、敷居を下げたのではないだろうか。

 そして777文字を綴ることで「ひらめきの瞬発力」を鍛えていく。


 「KAC」はまさに大喜利である。作者の「ひらめきの瞬発力」つまり「思考の筋肉」の見せどころだ。


 もしここに村上某氏が参加したとしたら、どのくらいのスピードで掌編を仕上げるのかたいへん興味深い。

 長編作家にあえて掌編で戦わせる。使う筋肉が異なるから、苦戦するのは必至だろう。

 餅は餅屋なのである。


 そして今日もまた、睡眠導入剤を飲んて2時間してから筋トレをしてプロテインを飲んで歯を磨いて寝るのである。

 きっと明日は連載を1万字書けると夢想して。

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