第三戦闘配備 お前の血は何色だ?お前の頭は桃色だ!
〜レッドの場合 其の弐〜
俺は暫くジャングルを
だがそんな中で分かった事が1つだけある。俺は
「これが……俺?いや、この
ところでジャングルってのは、熱帯地域にあると覚えていたんだが、俺はそれ程までに暑さを感じていなかった。可怪しいと思ってはいたが、気にする余裕が無かったのは事実だ。
日本の夏の蒸し暑さの方が快適とは程遠く、今の環境は快適そのものだと感じている程だった。
一方で俺が着ているモノに違和感を覚えたのも事実だ。マフィアランの
ジャングルを彷徨い歩き、数日経った頃の事だ。俺は飲まず食わずで放浪してた訳だが、流石に飲まず食わずってのは体力的にも精神的にも、身体の水分状況からしても無理だった。
だが幸いにも俺は小川を発見する事が出来た。俺はアマゾン川を知らないが、タマゾン川は知っている。タマゾン川と同様に、ジャングルに流れる川がキレイだとは思っていなかったんだが……。
その川は清流のように透き通っていて、喉の渇きを癒やす事に固執していた俺には、「その水を飲め」と神の采配が下ったように感じる程だった。
そして俺は、川面に映る俺の顔を見て絶句する事になった……。
——俺は多分戦隊ジャスティスファイブのチノイロレッドの姿をしていたんだ——
「いや、
二度目の絶句、そして驚愕。俺は三年の間、この
「おいおい、どうなってんだ?
二度目の驚愕。それは
考えてもみてくれ……。本来マスクは開閉したりはしない。それは鎧兜であっても同じ事だろ?口元を覆うマスクが開閉して、その中にある歯が見えたりしたりはしないし、そんな技術力は無かったハズだ。
他のどんな戦隊ヒーローでも、
「俺は、一体どうなっちまったんだ?なんで俺は
分からない事だらけだったが、俺はとにかく喉を潤すことにした。チノイロレッドになっている俺は、そのまま清流な感じの小川の水を腹が満たされるまで飲み続けていった。
日本人の俺が管理されていない真水を飲むなんて
〜ピンクの場合 其の弐〜
「アタシ、どうしちゃってるワケぇ?なんか、アタマピンクになってるんですけど?」
イケメンとの妄想キャッキャウフフで頭を一杯にして歩いてるんですけど、誰も何も見付からないまま、アタシは途方に暮れてた。
アタシはホームレスやってたから、多少の空腹は我慢出来るし、元々少食だからそこまでお腹空かないタチなんだけど、それでも三日間飲まず食わずでお花畑を歩いてたら、流石に死ぬっていうか、もう無理みたいなカンジ?
流石にお腹空き過ぎでお花畑に寝っ転がってたんだけど、その時に空にある雲が美味しそうだったから手を伸ばしたら……雲ってサンドイッチに見えるじゃん?美味しそうじゃん?
でも、なんか見えたのは、ピンクの手袋してるアタシの手。
この手袋、どっかで見た事あんなーって思ってたんだけど、そー言えば自分のカッコなんて気にしてなかったから、寝っ転がったまま足を上げてみたら、目に見えたのは今度はピンクのブーツ……。誰もいないから例えスカートの中身が見えても気にしない気にしない。
次に上半身だけ起こして自分の身体を見てみたら、全身ピンク……超ウケるんですけど。「昔いたってゆー、どっかの写真家かよッ!」ってツッコんだら、アタシは戦隊ヒーローの
ちなみに今は二十二世紀だから、ピンクの写真家なんて実際に見た事は無いし昔ネットで見ただけだし。だから本当に写真家なんかも知らないし。どうでもいいし。
アタシは頭を触ってみた。自分の超可愛い顔が見えないのは残念だけど手で顔を触ったら、先ず髪の毛が無い。そんでもって耳も無い。アタシの高い鼻は手で触ったらあったけど、鼻の穴に指は入らない。で、口の中に手が入った……。あれ?でも鼻ほじってないから、汚くはないしッ!
マジウケる。超ウケる。意味分かんない。そんでやっぱり、アタシはアタマピンクのまま歩いてたって事は理解した。まぁ、いいや。
でも流石にこんなカッコでうろつくのは恥ずいって言うか、アタシってもう戦隊ヒーローじゃない、ただの女の子で清らかな乙女じゃん?
変な奴に絡まれてもイヤだし、指
あ……でもその前にこの三日間外にいるのに誰にも会ってない……。ホントにここ、日本かよッ!
でもでもそうしたら、これからイケメンと遭遇してもどうやってヤるんだろ?
あ、そっか!本番しないでも口は開くからアタシがお口でご奉仕して気持ち良くなってもらえばいっか!アタシこう見えて、口技いっぱいもってるし、気持ち良いって評判だったし……ってそれじゃ、アタシが気持ち良くなれないじゃんッ!
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