11−3

プリンを食べ終えた私達は、また百合漫画の話で盛り上がり。


まだまだ語りたりなかったけど、明日は早めに起きないといけないので切り上げると。


愛華さんのベッドで二人一緒に寝ることになった。


まだ二度目なので緊張もあったけど、いつもより早い時間ということもあり、なかなか眠れないでいると。


愛華さんも眠れない様で、二人で横になりながら向かい合って、眠くなるまで話をすることにした。


話題は百合漫画の話をすると余計眠れなくなってしまうのでそれ以外のことで。


「むつきは誕生日いつ?」


「わ、私は12月25日だよ…。」


「クリスマスだー!覚えやすくていいね!」


「う、うん…。で、でもお母さんがプレゼントくれるんだけど一緒にされちゃうんだよね…。」


なんて、クリスマスが誕生日のよくある話をすると。


「それじゃあ、クリスマスにあたしの手作りケーキと誕生日になにかプレゼントあげるね!」


と、話してくれる愛華さん。


なんだか催促しているみたいで、謝ると。


「違うよー!あたしがしたいからするのー!させてー!」


と、なぜか反対にお願いする愛華さん。


友達にそんなこと言ってもらえるのが初めてで。


なによりもそんな愛華さんの気持ちが嬉しくて。


「あ、ありがと…。あ、愛華さんの誕生日お祝いさせてね…?わ、私もしたいから…!」


お返しにそう伝える。


「うん!楽しみにしてるね!」


電気は消えていて表情は見えないけど、そう言うと嬉しそうな様子の愛華さん。


まだもう少し先だけど、誕生日のプレゼントなに送ろうかなと考えると楽しみになってきて、私もニコニコしていた。


それからも話を続けていると眠くなってきて。


さすがに明日起きれなくなりそうなので、お話の時間はそろそろ終わりを迎えようとしていた。


明日からはまた学校が始まり、テスト期間でもあって。


愛華さんに頑張ろうねと伝えようと思った時、ふと気づいてしまう。


学校では私のせいで、こうやって話したりすることが出来ないということに。


メッセージのやりとりは出来るし、放課後話すことも出来はするけど。


お泊まり会になって、愛華さんといっぱい話しているうちに、なんだかそれだけじゃ寂しくなっていて。


「あ、あのね…。が、学校でも愛華さんと話したいんだけどいいかな…?さ、さすがに百合漫画の話はできないけど…。」


私は愛華さんにそう話す。


「もちろんだよー!むつきと学校でも話せたら絶対楽しいもんね!いっぱい話しかけちゃうから覚悟してねー!」


「う、うん…。き、緊張しちゃうかもだけど頑張る…!」


そう言うと私は想像しただけですでに緊張していて、震えてしまっていると。


愛華さんは私の手に優しく触れ、手と手を繋ぐ。


突然のことで驚いたのだけど。


「漫画のシーンの真似なんだけど。どうかな?安心する?」


愛華さんはそう言っていて。


たしかにあったなぁ。なんて思い出し納得する。


愛華さんの手の温もりが気持ちよく、しばらくそうしているとなんだか安心してきて。


気づくと緊張で震えていたのも止まっていた。


そのことを伝えると。


「えへへ。あたしにも癒し効果あってよかった〜。」


と嬉しそうにする愛華さん。


「う、うん…!あ、愛華さんの癒し効果すごいよ…!」


そう褒めると、さらに喜ぶ愛華さん。


よほど嬉しかったのか。


「それじゃあ学校でも緊張したらこうしてあげるね!」


なんて言われて、バレたらまずいんじゃ…。と断ろうとするのだけど。


「こっそりやれば大丈夫だよ〜!それとも嫌だった…?」


と、悲しそうな声で言われてしまい、断ることなんてできるはずもなく。


緊張しないように頑張らないと…!と決意するのであった。


さて、それから。


未だにずっと手を繋いだ状態で、癒し効果よりもドキドキの方が強くなってきてしまった私。


「あ、愛華さん…?も、もう大丈夫だからそろそろ離してもらっても…。」


「えー。むつきの手ひんやりしてて気持ち良いからこのままがいいな〜。」


なんて言われてしまうと、無理を言って離してもらうことなんて出来ず、しばらく眠れなかったのだけど。


暗さに目が慣れてくると、すでに眠っていた愛華さんの幸せそうな寝顔を眺める。


そうしていると、愛華さんのかわいい寝顔にも癒し効果があるみたいで。


やがてうとうとしだすと、眠りにつくのであった。






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百合漫画を買いに行ったら陽キャと仲良くなっていく話 たるたるたーる @tarutaru_ta-ru

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