KAC_20234 深夜の散歩で起きた出来事。私はこのお題に苦労しました。舞台を夜にして散歩させればいいのですが、必然性を生みださないと面白くないんですよね。そんな中『月』を使いこなし、見事に深夜の散歩を成立させたのが本作です。主人公の心情を月に投影し、際立たせたテクニックは憎いの一言。更にみかん。ざらついた心を落ち着かせ、前進する推進力になっているんだなと納得しました。深夜の散歩、月、みかんの見事な相関関係を楽しんで下さい。是非是非~
美しいイメージのタイトル通り、美しい文字で夜が綴られます。歩くのは女性が一人。泣き出したいのを堪え、現実の道を、普段は車でしか通らない道を、海にむかい歩くのです。そんな彼女を月が見つめ、まるで月からやってきたような不思議な女の子と、蜜柑でつながります。現実なんだけど、すこし不思議な匂いのする、夜。短い時間でするりと読めます。オススメです。
詩のような流れる文章が、少し切ない内容と合っていて、とても素敵な物語です。そして切なさはありますが、暗闇の中ずっと見守ってくれている山吹色の月と、ある出会いに心が温かくなる感じがしました。夜さみしくなった時に読みたい物語です。ぜひ読んでみてください、オススメです!
静かにひたりながら、思い返したくなる良作です。読んだ後にふと夜風を感じられるような気持ちの良さ、ぜひみなさんも味わってみてはいかがでしょうか?
最初は悩みを抱く主人公の、寂しくもの悲しい雰囲気。詩的で美しい情景が、主人公の心と重なり合い、その想いを繊細に描き出していきます。そして読了後は、あたたかい余韻に包まれているでしょう。心を満たしてくれるような、素敵なショートショートです。
とりとめのない一人称がつむぐ情感たっぷりの「深夜の散歩」の一幕。その理由が、行間から自動的に垣間見えて、とにかくエモいです(語彙力、仕事して)とても明快でスラスラ読ませる文章なのに、素晴らしく巧緻な構成の妙があって、感銘しきりでした。心からの憧憬とリスペクトをこめて!