第19話 レゾンデートル

※読みにくくてごめんなさい。きゅんきゅんさせてあげるからゆるしてね!



存在理由レゾンデートル:此の世界に存在する全ての万象、有形のものが、概念となって此の世界に誕生する際に備わる事象aが事象aであるための機能や性質等の必要条件のこと。


『救世主』、『勇者』、『魔法少女』となりうる特別な美少女達が操ることのできる魔法は、彼女達のレゾンデートルに由来する。かつて女神ソフィアによって生み出された被造物である"超越者"達は、己以外の全ての他者を慈しみ、愛することを存在理由として創られた。超越者ことみんなに可愛がられる美少女は、森羅万象全てを愛することが存在理由であり、石ころや虫等の生命の有無に限らず取るに足らない事象は、超越者を褒め称えるために現世にて形を得た。存在理由を持たない者は、世界の敵であり、無論、ネフィリムも該当する。


 世界樹ユグドラシル:天と地を貫く一本の大きな樹であり、天地を司り、総てを見通す超自然の存在。性別があるとすれば女性である。古代の民の伝承によれば、運命の三女神ノルンが毎日ウルズの泉から水を汲んできて撒くので、永遠に枯れることはないとされているが、実際には彼女、ユグドラシルはウルズの泉の水がなくとも不滅であり、飛龍ニーズヘグでは彼女、ユグドラシルを滅ぼすことは疎か彼女、ユグドラシルにダメージを与えることすら不可能である。彼女、ユグドラシルは荘厳で巨大なトネリコの樹(あるいはイチイの樹)の姿をしており、息遣いさえ少しでも聞いた者をたちまち聞き惚れさせる程に美しい女性の声を発して、あらゆる生命に優しく語りかける。

 ユグドラシルは天を貫くようにそびえ立ち、枝葉は世界を覆うほど生い茂っている。アースガルズ、ミドガルズ、ヨトゥンヘイム、ニブルへイムなど九つの世界を支え、根は三つの泉へと伸びている。運命の泉「ウルズの泉」、知恵の泉「ミーミルの泉」、毒と死の泉「フヴェルゲルミルの泉」の三つである。樹の幹や梢、根の周りには、鷲、竜、リスなど様々な生物がすみついている。

 また、オーディンはユグドラシルと深く関わりのある神だ。彼は不老の力と知恵を得るために、世界樹に逆さ吊りになり、自らの体を槍で貫いた。そして、そのまま九夜九日にもおよぶ苦行に耐えて、ルーン文字の力をつかみ取ったとされる。

 彼女、ユグドラシルの名前は、一説には「オーディンの馬」という意味だといわれている。

「ユグ」とは恐ろしい者という意味で、オーディンのことを指し、「ドラシル」とは馬のことを指す。古代の民は罪人が絞首刑になることを「馬に乗る」といっていた。つまり、オーディンが木に吊られて苦行に耐えた様子から、オーディンの馬という意味の「ユグドラシル」という言葉を木に名付けたのである。

世界樹ユグドラシルの根が伸びる三つの泉

ウルズの泉

運命の三女神が管理している美しい泉。この泉はとても神聖で、入った者は卵のように白くなるといわれている。女神たちがこの泉の水を毎日まくので、ユグドラシルは枯れることがない。

ミーミルの泉

知恵の巨人ミーミルが管理する泉。この泉の水を飲むと知恵と知識を得られるといわれており、この泉を飲むために、オーディンが代償として差し出した片目が沈んでいる。

フヴェルゲルミルの泉

偽善者や殺人を犯した者の死体が投げ込まれている毒の泉。無数の蛇とともに、飛龍ニーズヘグがすんでいて、ユグドラシルの根をかじっている。


アース神族の国「アースガルズ」

アース神族がすむ神々の土地。世界の中心に浮かぶ大地の、中央に位置する高台にあり、下にある人間族の国ミズガルズを見下ろす。周囲を取り囲むように堅固な城壁が築かれており、中に入るには虹の橋ビフレストを通るか、空を飛んで城壁を超えるしかない。

中に入るとオーディンの館ヴァラスキャールヴ、戦士した人間を戦力として集める館ヴァルハラ、トールの館ビルスキールニルなどをはじめ、豪奢で美しい神々の宮殿がいくつもそびえ立っている。

人間族の国「ミズガルズ」

人間が住んでいる土地。創世の際、オーディンとその兄弟は海辺に落ちていた流木から最初の人間の男女を作り、このミズガルズにすまわせた。そして巨人たちが侵入してこないように、ミズガルズの周囲をユミルのまつ毛から作った柵で取り囲んだ。

 ミズガルズはアースガルズから見下ろせる場所にあり、神々は常にミズガルズの様子を見渡すことができたという。

死の国「ニヴルヘル」

 冥界、黄泉の国。アースガルズの神々によって追放されたヘルが統治している土地。ニヴルヘイムのさらに下層にある。老衰や病死など戦死以外の理由で死んだ者が行く先であり、エーリューズニルという館でヘルは暮らしている。

 ニヴルヘルへ行くにはまずニヴルヘイムを通過し、ギョル川というとても暗い川を越えなければならない。川には黄金の橋が架かっているが、巨人の女性モーズグズが番をしていて、彼女が認めた者しか通行することはできない。


巨人族の国「ヨトゥンヘイム」

創世の際、オーディンとその兄弟によって最果ての地に追いやられた、ユミルの末裔の巨人たちがすむ土地である。ミズガルズの塀の外にあり、東方、あるいは北方に位置するといわれている。

世界樹ユグドラシルの三本の根のうちの一本が伸びており、根の先には「ミーミルの泉」がある。

また、イアールンヴィズという森には一人の巨人の女声が住んでおり、狼の姿をした巨人をたくさん生み落とした。予言ではこの狼の巨人の中から、太陽と月に追いついて世を混乱に陥れる者が現れるとされた。


世界樹ユグドラシルの根が伸びる三つの泉

ウルズの泉

 運命の三女神が管理している美しい泉。この泉はとても神聖で、入った者は卵のように白くなるといわれている。女神たちがこの泉の水を毎日まくので、ユグドラシルは枯れることがない。

ミーミルの泉

知恵の巨人ミーミルが管理する泉。この泉の水を飲むと知恵と知識を得られるといわれており、この泉を飲むために、オーディンが代償として差し出した片目が沈んでいる。


フヴェルゲルミルの泉

偽善者や殺人を犯した者の死体が投げ込まれている毒の泉。泉からはおびただしい数の川が流れ出ている。無数の蛇とともに、飛竜ニーズヘグがすんでいて、ユグドラシルの根をかじっている。



 この世界の正しい姿とは? それは、数多の生命が、七色の虹のように輝く優しさと絆に溢れた世界で、平穏に、賑やかに暮している理想郷である。


救世主:世界が『真の姿』を敵に奪われし運命の日に、世界の『真の姿』を奪還し、世界を救済する美少女のこと。






魔女の邪眼

生まれながらに邪眼を持つ者。または悪魔と契約した魔女たちは、ただその視線でひと目みるだけで、見られた者を不幸にすることができるという。

・世界中で恐れられていた最も原始的な魔術

 邪眼とは、邪悪な影響力を持った人間の目または視線のことであり、ただその視線で一瞥するだけで、見られた者を不幸にしてしまうという黒魔術である。邪眼を持つ者は、ちょっと触っただけで、人や動物を死に至らしめることができるともいわれている。

 邪眼は多くの場合、意図的なものではなく、生まれながらのものである。このため、邪眼の持ち主は、本人も気づいていないうちに他人を不幸にしてしまうことがある。しかし、ヨーロッパの魔女の邪眼は別だった。

 魔女狩り時代のヨーロッパでは、悪魔と契約した魔女は、悪意あるいは視線を向けることで、意図的に、失恋、病気、事故、貧乏、死といったさまざまな不幸を引き起こすことができると信じられていた。それで、邪眼によって災厄を振りまいたという罪で、数多くの魔女たちが死刑に処せられたのである。

有名な魔女狩り教本のひとつ『魔女への鉄槌』によれば、魔女の中には、ひと睨みしただけで異端審問所の裁判官を呪うことができるので、絶対に罰せられることはないと豪語する者もいたという。また、セイラムの魔女裁判で裁かれた魔女のひとりブリジット・ビショップも強烈な邪眼の持ち主で、その眼で睨まれただけで、セイラムの少女たちは倒れてしまったといわれている。

邪眼が発せられる状況には共通点もある。それは、邪眼の持ち主が、他人の持ち物に対して心から羨ましそうな視線を向け続けるときである。もしそんな目で見られたら、子供は病気になり、家畜は死に、財産はあっという間に失われてしまうのである。しかも、邪眼は世界のどこにでもある原始的な黒魔術なので、邪眼から身を守るためのさまざまな護符やお守りが世界中に存在するのである。

魔弾を作る。

魔弾とは隠れている敵さえ確実に殺すことができる魔法の銃弾あるいは弓矢でありを聖なるキリスト像を撃ち抜くことで使用可能になるという。

・隠れた敵さえ撃ち殺す魔法の弓矢と銃弾

 魔弾とは、隠れている敵さえ確実に殺すことができるという魔法の銃弾である。銃弾だけでなく、弓矢の弓についても同じ伝承がある。

有名な魔女狩り教本『魔女への鉄槌』に、絶対に狙いを外さない矢の作り方が書かれている。まず、聖金曜日(復活祭直前の金曜日)の荘厳ミサの最中にキリストの聖なる磔刑像を矢で射る。次に、「キリスト教を捨てる」と悪魔に誓う。同じようにして、3本でも4本での必要な本数の矢でキリストの磔刑像を射る。すると、その結果として、射手はその本数と同じだけの敵を確実に殺すことができるのである。ただし、魔弾を使う場合には、その前に殺したい人物を肉眼で確認しなければならず、かつその人物を殺すことに全身全霊を傾けなければならないのである。

このことは銃弾の場合も全く同じである。『魔女への鉄槌』には魔法の銃弾に関する話もある。それによると、かつてライン地方の君主エバーハルト髭王がある城を包囲したとき、ブンカーという魔弾使いの兵士が毎日確実に城の守備兵を射殺していた。ブンカーは毎日3発の魔弾を発射できたが、それは彼が毎日3度キリスト像を撃っていたからだというのである。1821年にベルリンで上映されたカール・マリア・フォン・ヴェーパーのオペラ『魔弾の射手(フライシュッツ)』も、恐ろしい魔弾を巡る物語である。主人公マックスは森林保護官になるために何としても射撃大会で優勝しなければならなかったが、底にカスパールというごろつき狩人がやってきて、魔弾を扱うようにそそのかす。そして2人は不気味な狼谷で悪魔を召喚し、その助けを得て魔弾を鋳造するのである。こうして作られた魔弾は7発で、このうち6発は百発百中の魔弾、残りの1発は悪魔が自由にコントロールできる魔弾だったとされている。

 




黒魔術の基本法則

太古の時代から、魔術の基本は「類似の法則」と「感染の法則」であり、これら二つを合わせて「共感の法則」と呼ばれている。

・たった二つの基本法則からなる黒魔術

黒魔術であれ、白魔術であれ、魔術の尤も基本的な法則は、太古の時代から現代まで、全く変わっていない。その法則は、「類似の法則」と「感染の法則」の二つで、これら二つを合わせて「共感の法則」と呼ばれている。そこで、魔術には類似の法則に基づくものと、感染の法則に基づくものがあることになるが、前者は「類感魔術(類感呪術)」、後者は「感染魔術(感染呪術)」という。これらの用語は、ジェームズ・フレイザーが20世紀初頭に書いた未開社会の研究所『金枝篇』に基づいているが、知っておくと便利である。

 類似の法則と感染の法則の意味はおよそ以下の通りである。

第一の類似の法則は、類似したものは類似したものを生み出す、というものである。たとえば、AとBが似たものであった場合、魔術師がBに対して何事かをすれば、それと同じ効果がAに対しても現れる。あるいは、魔術師が、Aがなにかしている様子を模倣すると、Aもその通りにするということである。このような魔術の代表は、もちろん人形を使った黒魔術である。相手に似せた人形を作り、それに針などを刺して敵を苦しめる黒魔術について、知らない人はいないだろう。

第二の感染の法則は、過去においてそのものの一部であったもの、または接触していたものは、互いが分離したあとでも、一方に加えられた行為は、それと全く同じ効果を、もう一方に引き起こすというものである。黒魔術の世界では、歯、毛髪、爪などのように、かつては人体の一部だったものが、憎い相手を苦しめるための重要な呪物とされるが、それはこの法則に基づいているのである。

宗教的な黒魔術

宗教的な黒魔術では、魔術の基本原理である「共感の法則」だけでなく神や霊に祈るという行為が重要とされるようになった。

・世界を支配する神霊の力で黒魔術が実現される

「類似の法則」に基づく「類感魔術(類感呪術)」と「感染の法則」に基づく「感染魔術(感染呪術)」。これらが魔術や黒魔術の二大原理であることは間違いない。だが、それだけで、古代から現代までのすべての黒魔術の原理を説明できるわけではない。なぜなら、時代が下ると、魔術の中に宗教が混ざってくるような現象も起こってくるからだ。こうなると、二大原理だけで、魔術を説明することはできなくなる。それで、宗教的な黒魔術では、神や霊に祈るという行為が重要になってくるのである。

 人形を使って人を呪う魔術を例にとろう。宗教的でない魔術では、憎い相手に似せた人形を作り、さらに名前などを書き、針や釘を刺せば、それだけで相手に危害を加えることができると考える。つまり、黒魔術師の呪詛が一直線に相手に伝わるのである。

 ところが、宗教的な黒魔術はそうではない。宗教においては、世界を動かすのは天にいる神霊たちである。それで、魔術師は、人に危害を加えようと望むなら、まず天にいる神霊たちに呼びかけなければならないのである。

つまり、黒魔術師と呪われる相手が一直線につながるのではなく、間に神霊という存在が介入し、全体が三角形の関係になるのである。

このことはヨーロッパでもアジアでも同じである。宗教が発展した世界の黒魔術師たちは、神や悪魔やそのほかの大勢の霊たちに呼びかけて、願望を実現してもらうのだ。

人を呪うというときの「呪」という字にも、このことが表されている。「呪」の旁の「兄」という字は人が天に向かって口を開いて何か言っている形象を表している。つまり、天の神霊に訴えているのである。

名前の黒魔術

名前にはそのものの本質が宿っているので、ほかに何もなくても、ただ名前だけでもわかれば人を呪うことができると信じられていた。

・そのものの本質が宿る真の名前の恐怖

黒魔術の世界では、人形、毛髪、爪などと同じように、その人の名前を使うことで、呪いをかけることができると信じられている。黒魔術師にとっては、名前はただ単に誰かを指し示す言葉ではない。名前にはそのものの本質が宿っており、ある意味で、呪いをかける相手の毛髪や爪よりも重大なものなのである。したがって、たとえその人の毛髪、爪、血液、唾液などが手に入らなかったとしても、名前だけでもわかれば、その人を呪うことができる。たとえば、古代ギリシアやローマでは、陶器の破片に、憎い相手の名前と呪いの言葉を一緒に書いて地中に埋め、人を呪う習慣があった。また、名前の上に釘を打って人を呪う習慣もあった。

 名前はこのように危険なものだったので、世界中に、通常使用する名前のほかに真の名前を持つ習慣が生まれた。

参考文献

『幻想用語辞典』

『シナリオのためのファンタジー事典』

『ゲーム制作者のための北欧神話事典』

『図解悪魔学』

『図解北欧神話』

『幻獣事典』

『図解黒魔術』

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