第13話 和風用語②
解忤の法
呪禁師が操る術。体内に侵入した魔物や悪鬼などの害から、身を解き放つ術。盗賊などの悪者に操られないように守護することもできる。
妖怪鎮めの神歌
妖怪を説得するための神歌。「歳を経て身をさまたぐる荒ミサキ今日より後は祟りなすなよ」
天狗の神歌
天狗の力で妖魔を退散させる神歌。「嵐吹く、戸山の風にしこりなす向こう悪魔を吹き返せけり」
クダショウに対する魔除け
クダショウを捕獲したら、その死体を黒焼きにして家に置く。すると災いは消え、魔除けにもなる。
恋
宵の稲妻
宵のうす闇に光る一閃の雷光。はかなさ、恋のあっけなさのたとえ。
恋風
恋心を、風が身に染みることにたとえた言葉。
浮かれ人
美しいものや華やかなもの、異性などにひかれて浮かれ歩く人
冥き途
冥途(めいど)の訓読みで、死後の世界。または恋愛などの煩悩に満ちた世界。
恋醒め
恋の気持ちがさめること
一花心
その場限りの恋心。浮気心。
好き心地
いろいろな人との恋の駆け引きを楽しみたい気持ち。浮気心。
愛で騒ぐ
萌えて大騒ぎすること
夢の手枕
夢の中で好きな人がしてくれる手枕。またはうたた寝のときに見る夢。
蜘蛛の振る舞い
クモが巣をつくる動作。恋人が来る前兆とされた。
春負け
思春期の恋煩い
身を飾るもの、こと
丹花の唇
赤い花のように美しい唇。
玉の緒
宝玉を通した細いひも。または宝玉をひもでつないだ首飾り。魂の緒の連想で命を意味することもある。
我が国本来の世界観
ユグドラシル
北欧神話に登場する巨大な樹木。トネリコの樹とされ、その根は九つの世界、もしくは3つの世界に伸びていた。名前は「ユッグの馬」という意味で、ユッグとも呼ばれるオーディンがこの樹で首を吊り、ルーン文字を見いだしたという逸話に由来するともされる。ホッドミミル、ニーマメイズ、レラーズなどの大樹と同一視されることが多い。青々と繁っているものの、葉や幹、根などを動物たちにかじられ、幹の一部は腐って柔らかくなってしまったため、ウルズたちが根に白い泥をかけて枯れてしまわないようにしていた。ラグナロクでは自らの運命を知ってかその巨体を震わせるが、なんの抵抗もできずスルトの放った炎で、焼き尽くされるのだという。
鷲
ユグドラシルの頂にとまっている大鷲。両目の間に鷹をたまらせている。一節ではフレスヴェルクともいわれている。
ヨルムンガンド
世界を取り巻く大蛇。生まれたとき、災いをもたらすと予言されたため、オーディンに海へと投げられ海底で成長した。(『ゲーム制作者のための北欧神話事典』より引用)
ラタトスク
ユグドラシルの幹を走り回るリス。頂の鷲とニーズヘグが交わしている口論を互いに伝える伝言役
アースガルズ
世界を創造したアース神族の国。大地の中心の高台にあり、世界中を見下ろす。(『ゲーム制作者のための北欧神話事典』より引用)
ヘルヘイム
北欧神話に登場する9つの世界のひとつ。冥界の女王ヘルの支配する世界で、ニヴルヘイムあるいは単にヘルとも呼ばれる。極寒の世界ニヴルヘイムの地下にあり、この世界に入るためには猛犬ガルムの守る洞窟や罪により幅が変わる黄金の橋ギアラルなどの難所を越えなければならない。そのため、北欧の古い伝承では死者の履き物が用意されていた。無事ヘルヘイムにたどり着いた死者はヘルの館に住むことになるが、「飢え」のナイフや「空腹」の皿、「病床」のベッドなどが並ぶのを視る限り、あまり住み心地の良いものではなかったようである。
ムスペル
北欧神話に登場する神々の敵対者。灼熱の世界ムスペルヘイムの住人たちで、普段はほかの世界の住人たちと関わることはない。しかし、ラグナロクにおいては黄金の鎧を身につけ、独自の陣形を組んで神々の住むアースガルズに攻め上るのだという。その際は馬に乗っているとも、死者の爪で作られた船ナグルファクに乗り込んでいるともされる。彼らの名前は「審判の日、世界の終末」を意味しており、世界を滅ぼすための存在と考える研究者もいる。
ムスペルヘイム
北欧神話に登場する9つの世界のひとつ。南方に位置する灼熱の世界で、明るく、熱く燃え盛っており、この地で生まれたムスペルたち以外は住むことができなかった。この世界から吹きでる火花と熱風が、原初の巨人ユミルを産みだしたとされる。また、火花は神々が天を飾る星を作るための材料ともなった。
ヨトゥンヘイム
北欧神話に登場する9つの世界のひとつ。巨人族の住む土地で、ミズガルズの囲いの外側やイアールンヴィズの森とその向こう側などが、こう呼ばれている。また、北方や東方にあるとも考えられていた。「囲いの外」を意味するウートガルズと呼ばれることもある。
トール:北欧神話に登場する神の1柱。オーディンと女巨人ヨルズの息子で、アース神族随一の戦士とされる。短気だが情の深い、髭を携えた赤毛の偉丈夫として描かれることが多い。巨人族の仇敵であり、愛用の槌ミョルニルを手に、しばしば巨人の国ヨトゥンヘイムに遠征した。
ヨルムンガンド:別名ミズガルズ蛇、ミドガルズオルムなど。ロキと巨人アングルボザの間に生まれた三人の子供のうちの一匹で、大蛇の姿をしている。もとは小さな蛇だったが、いずれアースガルズの神々の災いになると予見されたため、オーディンにより海へ投げ捨てられる。しかしヨルムンガンドはその後も海の底で成長し、世界を取り巻くほど大きくなる。最終戦争ラグナロクではロキとともにアーズガルズを襲撃し、その口から猛毒を吐いたり、大きな津波を起こし、神々を恐怖に陥れた。
宿敵トール
巨大なヨルムンガンドと戦える者などアーズガルズの神々の中にもそういないだろうが、雷神トールはこの大蛇と何度も対峙している。
一度目の戦い
一度目はトールがロキと人間の従者を伴って巨人ウードガルザ・ロキの館を訪れたときである。ウードガルザ・ロキはトールの力試しと称し、幻術でヨルムンガンドを猫に見せかけることで、トールに持ち上げさせた。ヨルムンガンドの巨体はトールの怪力をもってしても完全に持ち上げることは叶わず、トールとヨルムンガンド(トール自身は猫だと思っているが)の初勝負は、ヨルムンガンドの勝利となった。
二度目の戦い
二度目は、トールが巨人ヒュミルと釣りに出かけたときのこと。二人は互いに、相手より大きな獲物を釣り上げると意気込んでいた。ヒュミルが鯨を釣り上げたのに対し、牛の頭を丸ごと釣りの餌にしたトールが釣り上げたのはヨルムンガンドであった。トールはヨルムンガンドの体を怪力で引っ張り上げ、とどめといわんばかりにミョルニルの一撃をお見舞いしようとするが、怯えたヒュミルが釣り糸を切ってしまった。充分なダメージを与えられずにヨルムンガンドは海中へと逃げてしまい、この勝負は引き分けとなった。
三度目の戦い
そして三度目。トールとヨルムンガンドの戦いの決着は最終戦争ラグナロクでつけられることとなった。ロキに率いられ海から姿を現したヨルムンガンドは、その巨体を使ってアース神族の国アースガルズのあらゆるものを押し流してしまうほどの大津波を起こし、口からは猛毒を吐き散らし、神々を苦しめた。トールはヨルムンガンドを相手に互角以上に戦い、三度に渡って槌ミョルニルによる攻撃を加えた。ヨルムンガンドはトールの攻撃によって絶命するが、厳しい戦いを終えたトールもまた、ヨルムンガンドの毒によって苦しんだ。『古エッダ』には「九歩あとずさった」という記述が残されていて、これがトールの死を意味するのかは明らかになっていないが、ラグナロクのあとに生き残った者たちの中に、トールの名はない。
魔法棒・杖・剣について
魔法の棒はニワトコ、トウ、ローズウットの木で、魔法の杖はハシバミの木の枝で作り、魔法の剣には神の名を刻み聖水や香などで聖別する。
・エルダーウッドの魔法棒、ハゼルの魔法杖
魔術の儀式において頻繁に利用される魔法の棒、杖、剣は以下のように作ると定められている。
魔法の棒はニワトコ、トウ、ローズウッドの木で、魔法の杖はハシバミの木の枝で作るが、まだ1度も実を付けたことがない新しい木を利用する。また、その枝は水曜日の日の出のときに、一撃で切り取らなければならず、水星の日と時刻に必要な記号を刻まなければならない。
これが済んだら次のように唱える。「聖なるアドナイよ。この棒と杖を祝福し聖別してください。あなたの力で必要な徳が得られますように」
そして薫蒸を飲ませたら、清潔な場所に保管するのである。
魔法の剣の作り方は次のように定められている。
新しい剣を用意し、水星の日の第1時あるいは15時にその剣を取り、きれいに磨き上げる。その後、剣の一方の面に神聖な神の名をヘブライ語で刻む。
「YOD HE VAU HE.ADONAI.EHEIEH.YAYAI」その反対側の麺には「ELOHIM GIBOR」と刻む。
そして、剣に聖水をふりかけ、香を焚き、以下の呪文を唱える。
「おお、剣よ。私はお前を召喚する。アブルハク、アブラカタブラ、ヤハウェの名によって。お前がすべての魔術儀式において、私に力を与え、目に見える、また目に見えないすべての私の敵から私を守るように」
このようにして適切な浄化と聖別が済んだら、他の道具と同じようにその剣を絹の布で包んで保管するのである。
魔法の剣は3人の弟子たちのためにも、同じようなやり方で弟子専用の3本の剣を作っておかなければならない。
参考書籍
ゲーム制作者のための北欧神話事典
図解魔導書
図解黒魔術
図解中世の生活
幻想用語辞典
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