第38話 約束の時間、成長
無限の世界にログインすると、まだ約束の時間には少し早いからか人はいつにも増して多いがその中にまだ見知った顔はいなかった。
ぼーっと待っとくのもあれだし1人で適当なクエスト行ってレベル上げとくか…!と思ったが俺はふと思い立った。
先ステータス確認しよう!と。
ダンジョンクエストに2回連続で失敗しているとはいえ道中何体もモンスターを倒してきた。
その分の経験値は入ってるだろう。
俺はステータス画面を開いた。
わん
Lv23
HP…16+6
攻撃力…7+4
防御力…6
魔力…0
知力…9
胆力…2
余り経験値…27
やはりレベルは上がっていた。
しかもかなり大幅に。
ダンジョンクエストが経験値的に美味しいのは間違いではなかったようだ。
さて…経験値をどう振分けるかだが……
頭にゴーレムの事が思い浮かんだ。
辿り着くまでに疲弊していたとはいえ2度とも1発でやられている。
じゃあ防御力かHPを上げるべきか……
いや待てよ…メイの攻撃は確実に効いていた。だからパワーでゴリ押しは……?
迷った挙句攻撃力、防御力、HPの3つに均等に分けることにした。
わん
Lv23
HP…25+6
攻撃力…16+4
防御力…15
魔力…0
知力…9
胆力…2
余り経験値…0
そういえばこのHPと攻撃力の横についてる+ってなんなんだろう…
前までは無かったよな。前と違って変わった事……
あ、特殊装備!!
特殊装備によって強化されたステータスが+で表はれるのか。なるほどね。
……あまり考えたくはないが…………スライムヘッドは強化無かったって事ね……
いやでももしかしたら…と思い持ち物を開いた。
持ち物には、今まで取ってきた素材や武器、装備が入っている。
スライムヘッドもここに入っていた。
王子の説明通り"紅き振袖"には火炎耐性がついている。
だからスライムヘッドも何か付いていると考えたのだ。
持ち物を詳しく見ると、そのアイテムの説明が見れる。
だからすぐ確認しようたしたが、目と手がスライムヘッドの説明を見るのを拒んだ。
もし何も無かったら…と考えると夜しか眠れない。
……よしっ!辞めよう。
俺は"初めて死んだ時"とは違う恐怖に負けて持ち物を閉じた。
「お、わん早いねぇ〜」
声がして振り返るとそこには王子がいた。
俺は少し安心した。
「戻りました〜」
続いてメイもやって来た。
2人と言えば考えなければならない事がある。
昨日はどちらかが確実に嘘をついてる。という結論に至った。
その結果このパーティをどうするのか。
俺が導き出した答えはこれだ。
「めんどい('ε'*)」
正直1人減らしてゴーレムに勝てる気もしないし追加で人も入れたくない。
とりあえずイクシードをクリアするまでは現状維持で行くことに決めたのだった。
--続く
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