第5話 SF的思いわずらいと中二病について

 中学生のころ、自分が今していることは、異次元から、または未来から、筒抜けで見られているのではないか、とか、世界は、本当は実に狭くて、自分の周辺しかなくて、今まで自分が行ったことがなく、新たに赴くことになった場所や人は、自分が行く直前に作られていっているのではないか、とか、自分以外の人間はみんなタンパク合成などで人工的に作られたものなのではないか、というような妄想にとりつかれていた時期がある。長ずるにつれ、同じような状況が小説や映画、ドラマ(特に「世にも奇妙な物語」)などに出てくるのを知り、同じような想像をしている人は結構いるのだな、ということが分かった。

 あと、これはコンピュータのシミュレーションゲームで遊んでいるときに思ったことだが、この世界は、非常に高速・高度なコンピュータシミュレーションで、自分自身も、ただのデータで本当は物理的実体はないのではないか、もし、そうだったとしても、シミュレーション内部の存在にはそのことを確かめようがないなあ、ということ。この状況も、後に、いくつかの小説に出てくるのを発見した。

 今でも、同じような想像をすることはあるが、それで悩んだりはしない。正に、そんなことで悩むこと自体が、中二病(死語?)だったということかもしれない。 

                                  (了)

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