第3話 最後の手段

 女の子、初のキャッシュレス決済に再びパニック。

「お客様、こちらのカードはピッとするやつですか? シュッとするやつですか?」


「そんなこと聞かれたのは初めてだけど、多分シュッとするやつです」


 女の子はマニュアルを片手に俺のカードをシュッと機械に通した。


「4桁の暗証番号を教えてください」


「えっとね……じゃなくて! サラッと機密情報聞き出そうとしちゃダメ! それはお客さんに自分で押してもらうやつ!」

 思わず大声を出したら女の子は更にパニクって変なボタンを押した。


 途端にレジスターが開いて少女にボディーブローをかます。

「あうっ!」

 腹を抑えてうずくまる女の子。

「マジかよ!?」


 レジ横には「キャッシュレス決済でスマート会計!」と書かれた黄色いポップがはためいている。


「どこがスマートだよ。もう、ぐっちゃぐちゃじゃねぇか!」

 俺はよろよろと立ち上がって来た女の子に呟いた。


「会計、現金で」






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キャッシュレス決済 仁科佐和子 @sawako247

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