拒否

 伊万里と鬼塚は、南禅寺の近くまで走ったが、2人共疲れ切っていた。

「鬼塚さん!帰って警察に通報するんです!」

「勘弁してよ〜」

 鬼塚は駄々を捏ねた。

 すると、後ろから先程の高齢男性が走ってきた。

「清志郎!探したぞ!」

 そう言われた鬼塚は

「ごめんなさい、桜田先生。怖い部下に追いかけられていたんだ」

 桜田と呼ばれた男性は伊万里に気付き

「えっと、清志郎の部下ですか?」

「はい!皇伊万里と申します。仕事で訳あって参りました」

「清志郎から伺っております。モンスターペアレントに狙われてるとか?」

「はい」

「ま、立ち話もなんだからうちへ帰りましょう」

 桜田は促し、一行は桜田の自宅へ向かった。


 桜田の自宅に到着し、桜田は伊万里をもてなした。

「あの失礼ですが、鬼塚さんとはどういうご関係ですか?ご自宅の中を拝見すると妖怪関連の本や置き物がありますが…」

 伊万里が聞くと

「私は妖怪について研究していましたね。数年前まで大学で教えてました」

「教授をされていたんですね!」

「はい。それで清志郎は46年前に三重へ行った際、牛鬼淵で私が見つけて引き取ったんです」

 その後、桜田は伊万里に46年前鬼塚と出会った時の事を懐かしむように語った。

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