恨み
女性は、鬼塚に亡くなった高齢女性から執拗に虐めを受けていた事をカミングアウトし、高齢女性が認知症になり、夫が単身赴任だったため、女性は1人で義母の介護をしなきゃいけなくなり、その介護で女性はかなりストレスが溜まってしまったのだ。
鬼塚は普段の人間の姿に化け、これまでの経緯を警察に話し女性の身柄を引き渡した。
消火活動も終わり、帰り支度をしてたその時、桜太郎がやって来た。
「伊万里ー!」
「桜太郎さん!」
伊万里は桜太郎に駆け寄った。
「えっと…」
鬼塚が困惑していると
「私の彼氏です」
伊万里が恥ずかしそうに言うと一同は驚いた。
「男虎桜太郎と申します。いつも伊万里から皆さんの話は伺っております」
桜太郎は丁寧に自己紹介すると
「初めまして。何でも屋の社長の鬼塚清志郎と申します。以後お見知り置きを」
鬼塚は桜太郎に名刺を渡した。
桜太郎は名刺を受け取ると
「貴方が鬼塚さんですね!今後も伊万里を宜しくお願い致します」
とお辞儀をした。
「桜太郎さん」
伊万里は桜太郎を見つめると
「伊万里、無事でよかった。心配したんだよ」
「ごめんなさい」
伊万里と桜太郎のやりとりを見た鬼塚は
「申し訳ございません。まさかもっと早くこちらが気付けばよかったのですが」
鬼塚が謝罪すると
「鬼塚さん、こちらもびっくりしました。火事になっていたなんて…。何でも屋さんってこんな危険な事をされるんですね」
「いや、いつもこんなのじゃないですよ。誤解を招いてすみません」
桜太郎は何でも屋の事務所まで鬼塚とこうしたやりとりをしていた。
逮捕された女性は鬼塚に話した事を警察にも話した。すぐ女性の夫が呼び出され、夫はあまりのショックで女性を殴ろうとしたが、警察に止められた。
伊万里は帰宅後、雪之丞から話を聞いた両親から心配されたが、同時に伊万里の無事に安堵した。
火事のニュースが流れ、教室を飛び出した雪之丞はトイレに入り、スマホで両親に連絡したのだった。
「ユンちゃん、ありがと」
伊万里は雪之丞に抱きついたが、
「キモい」
と雪之丞は冷めた言い方をした。
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