お風呂で徒然と

春風利央

1.私の宗教観

 日本人は無宗教が多いと聞きます。だからといって神の存在を否定しているわけではないし、むしろ色んな寺社仏閣へお参りに行きます。

 私も自分は無宗教だと思っていた時期があったのですが、最近違うと気づきました。

 私は神や、不思議な力を持ったなにかがいる、と信じています。のめりこむほど信じているのではなく、なんとなくこの世に存在するんだろうな、といった、程度のものです。ここで、他の宗教と関連性がないと思った過去の私は、自分を無宗教だと判断したのでしょう。

 しかし、私はこの考え方に基となるものがあるということに気づきました。それは、日本に古くからある宗教、神道です。

 神道は、日本全国の地域性の宗教である民俗信仰、自然を畏れ敬い神として信仰する自然信仰が主なものであり、さらに奈良時代に仏教が進出し神仏習合があったことで、先祖を「仏さん」として手を合わせる文化も広まりました。

 私の宗教観である「神や不思議な力を持ったなにかが存在する」という考え方は、おそらくここから来たのでしょう。神が一柱だけではなく、また神以外にも不思議なものが存在すると考えているあたりが神道の多神教であることに影響を受けていることがわかります。

 また、神や不思議ななにかが「どこか」にいると考えているところは、人間のすぐそばにある自然を信仰する、自然信仰に影響を受けているとも言えるでしょう。だって「どこか」は「ここ」かもしれないんですから。

 これだけだと私が神道を信仰していると思われるかもしれませんが、部分的に違います。おそらく私は他の宗教の影響も受けているでしょう。

 まず、神道と同じくらい身近な宗教である仏教。私が仏教に最も影響を受けているのが、死生観ですね。

 仏教には「輪廻転生」という考え方が存在します。この世の全ての生き物は、死後別の(あるいは同じ種類の)生き物として生まれ変わる、というものです。私はこれをなんとなく信じています。本当はもっと詳しく書籍などに書いてあるのですが、私のやる気がなくなるので割愛します。

 この部分に影響を受けたのは、本を読んでいたからですね。

 小さい頃の私は昔話が好きで、子供向けの神話なんかもそのくくりに入れていたものですから、もちろん仏教について書いてある本も読みました。

 当時はなんだか難しいことが書いてあるな、というのを古文書を解読している学者のような気持ちで読んでいたのですが、その中で数少ない子供ながらに理解できた部分が「輪廻転生」だったのです。

 当時は死んだら天国と地獄のどちらかに行くと思っていたので、衝撃を受けました。同時に納得もしたのです。天国には善人が導かれ、地獄には悪人が落ちる。それならばいいことも悪いこともしている「普通」の人はどこに行くのだろう。ぼんやりと思っていたことが一気に解決したような気分になって、そのあとは機嫌が良かったことを覚えています。私はここで、普通の人は生まれ変わる、という考え方を持つようになったのです。

 しかし不思議なことに、お盆やハロウィンのことも信じていました。毎年お盆になると、おばあちゃんの家に集まり、お坊さんのお経とありがたい話を聞き、おばあちゃんに毎年「今日は死んだご先祖が帰ってくるよ」と言い聞かせられていたからでしょう。物心ついたころにひいおばあちゃんが亡くなって、人が死ぬ=もう会えない、ということを認識しできたのも関係しているのでしょう。私は毎年ひいおばあちゃんが帰って来ているんだとぼんやり思っていました。今も少し思っています。

 ハロウィンに関しては、そうやって帰ってくる先祖に交じって悪いものがいても不思議じゃないな、と思っただけです。

 ひいおばあちゃんは普通の人(だったと思う)ので、これでは話が矛盾しているではないか!と思ったそこのあなた、正解です。

 しかし、これは宗教“学”ではなく、宗教“観”。つまり感じ方の問題なのである程度矛盾があっても仕方ないということで許してください。どうせ気の向くままに考えたことを書いているだけですし。

 他にも影響を受けているものはあるでしょうが、私が考え付かないのでこんな感じで終わります。みなさんも一度、自分の宗教観について考えてみてはいかがでしょうか。自分の考え方がわかるとすっきりしますよ!

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