日常の普通が特別な、じんわりと心あたたまる優しい物語

誰もが幼い頃に大切なぬいぐるみがいたのではないだろうか。私にもいた。実家に置いてきてしまったぬいぐるみ。そのぬいぐるみを読みながら思い出した。

ぬいぐるみの語り口調で終始タヌたんの視点で持ち主との生涯が淡々と描かれているこの物語は、特別な何かが描かれているわけではない。けれど、ずっとそばにいるタヌたんがいることは、間違いなく特別だ。

その日常の普通が特別な、優しくじんわりと心あたたまる物語である。