手榴弾とあたし

久石あまね

第1話 あたし手榴弾持ってません

 あたしは中学三年生。

 まだキスもしたことのない女のコ。

 燃えるような暑さのなか、いつもの通学路を歩いて登校していた。

 通学路は昨日の雨でびちょびちょ。あたしのア・ソ・コみたい。なにふざけとんねん。失笑。あたしアホ丸出し。

 こんな調子だからあたしだめなの…。いつも同級生の女のコにからかわれて…。イジメられて…。

 あたし、今日もまたいじめられるのかな。

 通学路の途中にある米軍基地から米兵が何人か出てきた。アロハシャツを着ていた米兵は陽気で楽しそうだった。

 あたしは米兵にあいさつした。

 「ハーイ、こんにちは!」

 「へーい、ジャパニーズガール、こんにちは!」数人いるうちのひとりの瑠璃色の目をした米兵があたしにあいさつを返した。

 「あたし学校でいじめられてるんです。どうすればいいですか?」あたしは瑠璃色の目をした米兵に悩みを相談した。

 「僕だったら手榴弾を投げつけるね」米兵は流暢な日本語で話した。

 「あたし手榴弾持ってません」

 「君に手榴弾を渡すのは難しいけど、相談ならいつでものるよ」瑠璃色の目をした米兵が穏やかに言った。

 あたしはその瞬間、瑠璃色の目をした米兵に恋をした。

 あたしが手榴弾になって、あなたのこころを打ち砕いていいですか?

 yes or no , call your answer

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

手榴弾とあたし 久石あまね @amane11

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ