第30話 ちゃんと学ばなかったでしょう?

殺気がなくなり拗ねている様子に変わったフラフを見て、コスモスさんがほっとしたように紅茶を四つのカップに注いでいく。

そして盛大なため息をついた。



「フラフ、あなた歴史をちゃんと学ばなかったでしょう?」


「つまらないからね」


「エイリアンが侵略した先の星は、遅かれ早かれ消滅しました。それは本来その星に生きる生き物の生態系を壊してしまったからです」



そうなの?、と言いたげに蝶々さんはコスモスさんを見上げた。

まあ当然っちゃ当然だけど、地球以外の星で生きるエイリアンのエイリアン史を聞くのは俺も初めて。



「反省した祖先たちは、エイリアンが別の星に分散し居候先で共生を目指すと星が消滅しないことを知って、侵略ではなく居候のかたちを取るようになったんですよ」



ペラペラペラペラっと、難しいことを仰るコスモスさん。

内容の咀嚼もなく、今ので理解したらしいフラフは悲しげに「でも」と呟いた。



「故郷から別の星に上手く居候出来たのは僕とコスモスだけだよ」



それを聞いてコスモスさんを含めた俺たち全員が驚いた。

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