艶羨(えんせん)

「呼ばれたの、行ってくるわ」


そう言って キミが旅立った時、


次はボクだ!


と、思ったものさ。



キミの 晴れやかな顔が 忘れられない。


ガラスの 向こう側へ 旅立った キミを

ボクは 羨望の眼差しで 見つめた。


それしか、出来なかった。


いってらっしゃい

よかったね

と、

送り出すことが 出来なかった。


だから、

キミが 戻ってきた時も、


代わりに ボクが!

なんて、思ったものさ。


ただ ただ、

ここから 出たかった。

ガラスの向こう側へ 行ってみたかった。


そこが、どんなに 過酷な 場所かも 知らずに。



ボクは、

いつまで に 居れば よいのだろう?


ボクは、どうして に 居るの   だろう?



キミは、ボクを 忘れてる?





















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玻璃色の夢 【KAC20232】 結音(Yuine) @midsummer-violet

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