第6話 世界樹の実(完熟)食用可(甘い)
(主〜 こんなこともできたよ・・・)
って、今度は、スラが体内収納から、いろいろ出してくれた・・・
・魔狼の毛皮
・魔狼の牙、爪
・魔狼の魔石
ああそうか! 収納内解体ってやつなのか? 凄いな!こいつ。
せっかく出してくれたので、僕の収納に回収して、スラを褒めておいた。
先程の青い鳥はいつの間にか姿を消していた。まあ、無事逃げることができたんだろう。
そのあとも、かなり・・・森の中を歩き回ったんだけど、これ!というイベントも無く、日が沈み始めたので、鞄に触れて「異空間住居」に移動した。
あっ! しまった!・・・と思ったけど、肩の上にはスラがいる。
(あれ? スラ、なんとも無いのか?)
(うん? 何が〜?)
なるほど、僕の従魔だし、僕と一緒なら、ここにも来れるってこと? 僕の体の一部みたいなものかな・・・
(これなら、ひょっとして、異世界転移も一緒にできるんじゃないのかな・・・)
夕食は何にしようか? スラは、さきほどの魔狼でお腹はいっぱいらしいよ。でも、(主が出してくれれば何でも食べる!)ってさ・・・
収納を探って、オークの串焼きと果物と、ペットボトルの水500cc2本を取り出した。
500ccのペットボトルの水、だって!? まあ、いただきますか・・・
僕は、そんなにコンビニに未練も執着も無いはずなんだけど・・・
あと、収納に僕のものでは無い「剣」が入っていた。これもそうか・・・
鑑定!
*精霊剣(片手剣):神級・神器:オリハルコン製
・転生神の加護、剣聖の加護
・機能:不壊、自重軽減、清浄、
・効果:斬撃、魔法複製、スキル複製
・使用条件: 転生神の加護所有、(貸出)
何?これはもの凄い!剣だよな〜 これを使え!ってことか、青い鞘に収められている60cmくらいの短めの神剣だ。剣術なんてほとんど知らない僕にはこのくらいの長さのほうが振り回し易いよ・・・しかも、斬撃ができるっていうなら、相手を目の前にすることも近づかなくても良い!ってことだよな・・・
そして、(貸出)か・・・そうだろうな、でも、ありがたくお借りします!
明日はもっと奥まで行ってみようか・・・
(主〜朝だよ!〜)って、僕の上でポンポン跳ねているやつに起こされた!
まあ、スラしか居ないからね、安心できる他人ってところか。
適当に朝食を食べて、周りの気配を探ってから住居から出る。
うん、今日も森の空気が美味い!精霊の水の川に、精霊剣・・・って、ここが精霊の森?って言っているようなものだよな。
どっちに行こうか?マッピングしようとしたら、スラが、(あっち!)って言うから、その方向へ歩いてきた。
いきなり、目の前にとてつもなく大きな木が現れた。なんだ? 気が付かなかった。
気配遮断?認識阻害?の結界でも張ってあったようだ。
まあ、どう見ても、この大きさ・・・世界樹ってやつだろ! 天辺は地面からは分からないほど高い・・・
と、僕のところに、真っ赤な木の実がフワフワって落ちてきたけど、何それ、そんなに羽のように軽いのか? イヤ、手にとってみて分かった、ずっしり果肉が詰まっているのか重い。軽く1kgは超えているんじゃないか?
実からは、完熟した甘〜い香りが漂ってくるし、これは、食欲を誘う香りだ!
鑑定!
*世界樹の実(完熟):食用可(甘い)
・精霊の加護
・不老長寿
・エリクサーの素材
周りを見てみれば、数個赤い実が転がっている。傷みが無いから、落ちてからまだあまり時間が経ってないんだろう。
鑑定!でも、発酵して毒になってたり・・・とかも無いようなので、とりあえず、落ちていた5個を回収させてもらった。最初に受け取った1個をナイフで半分に切って、スラと半分ずつ食べてみた・・・美味い!
(主〜、これ美味しいね〜 スラ、これ好き!)
はいはい、ああ、そうですね〜 これ、嫌いなやつはきっと居ないと思うぞ・・
僕のステータスに変化があったな・・・
加護に精霊の加護が加わったのが分かった。スラにも精霊の加護が追加されてる。
(あの〜〜? 昨日は娘を助けていただき、ありがとうございました〜)
うん? なんだ? 昨日? 娘? 助けた?
とそこへ、青い鳥が飛んできた。そして、パッって音もなく、小さな精霊に姿を変えた。
(この娘です、助けていただきましたよね?)
(ああ、なるほど! それで? あなたは?)
どうやら、世界樹の中にいるらしい、精霊女王と名乗った。娘さんが、青い鳥に変化して森の散策中に、木の枝にぶつかって地面で休んでいたところを魔狼たちに見つかって・・・ああいう状況になっていたらしい。(まだ、この娘は修行も積んでいなくて、精霊力も弱いために・・・)なんてことだったらしい。危機一髪!だったようだ。
(ああ、それで、僕たちにこの世界樹の実をくれたんですね〜、ありがとうございました)
(いえいえ、そんなことしかできませんので・・・)
(そう言われてもね・・・加護をいただきましたよ! )
(ええ、まあ、当然のことですね・・・これで、あなたがたは、精霊や妖精に好かれることでしょう。力を得ることも可能です。なにより、私達の姿が・・・見えますよね!)
って、世界樹の中から、女王が現れてきたのが分かった!
ああ、女王っていうから、おばあさんみたいなものを想像してしまったけど、なんだ!この美人さんは! 肌もピチピチの綺麗なお姉さん!じゃあないですか〜
(まあ、〜そこまで褒めていただけるなんて・・・・嬉しいですわ〜)
(あっ、すみません、つい心の声がダダ漏れ?でしたか・・・・)
(いえいえ、構いません! 私は、精霊女王のマドカですわ、あなたは?)
(おっと、失礼しました! 僕はケンジ、こいつは僕の従魔スライムのスラです)
(そう? ケンジさんにスラちゃんですか、あなたがたに幸運を!)
って、また、世界樹の幹に吸い込まれていかれました。いつの間にか、娘さんの精霊も消えてしまったようだ。
*精霊女王:マドカ 精霊の加護をいただく
世界樹を通り過ぎて、森のハズレ?に出て、後ろを振り返って分かった。
今、そこには森なんて見えてないよな? 僕たちには薄っすらと見えているのは、精霊の加護のお陰かな? この精霊の森全体が認識阻害結界で覆われているんだ! まあ、普通の人間では入ることなどできないんだろう。
何か、道に沿って歩いていたのに、同じ場所をグルグル回っていただけ!とかそんな状況になってしまうんだろうな・・
それで、森を出て今、目の前にはド~ンといきなりの岩山。しかも高い! 何だ?ここは? 1000m超えの岩の壁が見えるだけだよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます