第34話 家畜人ヤプー

 囚われの乙女、囚われの高貴な姫、という嗜好が、ある。


 囚われの美女を見て興奮する、一種のサディズム、加虐趣味。


 だが、俺の知っている、マルキ・ド・サド、サド侯爵は、あの時代におけるフランス貴族の中では、まともなほうで、彼が描いたのは堕落した貴族ども、宗教につかえながら女をまわすもの、要するに、圧倒的に、女性を糾弾する、軽く見るのが男らしい、ますらをぶり、マチズモ、マスキュリン、とでもいうふうに賞賛を受けた時代、徹底的に男の堕落を書けば、それは監獄送りだろう。


 彼は、早すぎた。早すぎたゆえに、こう言った、男女同権主義、フェミニストは変態です、とひたすら。


 青髭だって、早すぎたのだ。女性の味方に立ったので、聖職者たちは、自分たちの罪を彼に着せ、「この少年たちが傷ましく傷ついたのは彼のせい」とでも言ったのだろう。


 世の中で一番、囚われの乙女を作り出し、少年たちをてごめにし、ひたすら性的虐待の加害者と被害者を、量産してきたのが西洋である。


 一部の寺、日本よりもひどかったと推測されるのは、彼らは、自然を焼き尽くし、動物を滅び尽くし、滅ぼすことに特化しているからだ。


 稽古場で1日7、8時間過ごしてきた私は、世の中のことは、少ししかわからない。


 しかし、時折すれ違う西洋人の、声は、まるで、加虐趣味のそれである。


 グアム、ハワイ、サイパン、香港と言った、白人にとって屈辱的な土地では、コンクード、領土としては征服できても、心まで占領、コンクードできなかった経緯があるので、そこまで大きな声でしゃべることはない。


 だが日本は。


 白人たちに平気で媚びへつらい、いまだに、パンパンのように、肉体と年金と全てをはいどうぞ、と。


 それは、「差し出した」人間たちが悔いる日本の恥であり、いい加減、アメリカの情婦をやめて、日本は日本として、離婚をいいわたしてもいいのではないか。


 負け組が何を言おうとしても無駄で、今の日本は、犬以下だ。

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