第31話 紆余曲折の艱難辛苦あった訳でございましたショーンKさんの回想に感情移入してしまう古舘伊知郎でした!

「というワケでこう…天性の話術とカリスマ性であれよあれよと周りの人間から持ち上げられて今の地位に…って感じですね」


 本人曰く、ブリッジ国王に経歴を聞かれた際【法務省から派遣されてきた】等の経歴設定になっているらしい。


「自分で天性とかカリスマとか言うんじゃありませんよこのペテン師。異世界でもガッツリ詐称してるんじゃないですか」


「ははは…ボクの悪いクセかなあ」


 幼児退行な素が出かけるショーンK。


「メッキは輝いていればいるほど剥がれやすくなります。法務省?とやら、本物の法務省が来たらどうするんです?」


 古舘は真剣に問う。


「文春砲被弾状態ですね…」


「打つ手なしですか…なんて愚かな…」


カ…カ…カツン…


 廊下の壁際にぶら下がっている電球が少し揺れ動いたのだが2人は気づかない。


「ですがこの世界に週刊誌という概念は無さそうなので、足元すくわれる事も無いでしょう」


「週刊誌は詐称が分かった瞬間に喰ったり斬ったりしない分まだ優しいと思いますがね」


カランカラン…


 再度揺れが起こった。

 壁際にぶら下がっている電球は壁と触れ合い、音をたてている。

 電球が動いたことで電線との接触不良を起こし、一瞬電球のあかりが消えかかる。

 今度は最初の揺れより大きかったので、2人とも揺れに気づき、会話が止まる。

「ガンバルデウス指揮官!」

 その時、廊下奥の扉が乱暴に開き、衛兵が息を切らして入ってきた。

「ドラゴンが…ドラゴンがあらわれました!」

「なに!?」

「空から王国街を襲撃してます!!」


 先ほどの揺れはドラゴンが地面に向かって火球を吐いたのが原因だったのだ。

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