第19話 ガイコツ騎士を倒したナスカはまさかの女性という驚きの事実が発覚したのでありますがかなりの毒舌家のようでして古舘の心は壊れそうでした!


 古舘の目の前まで来たナスカ。


「ナスカといいます。先ほどは助かりました」

 微笑ほほえむナスカ。

「え、いやあアナウンサーとして、そして実況者として当然のことをしたまでですよええ!」


 古舘は照れる。


 だがナスカの表情は一瞬で氷のようになった。


「ですが今後このようなことはしなくても結構です。助かった部分もありましたが、後半はかなり耳障りだったので」


 ガーーーン


「み、耳障り…」

 古舘はショックを受けた。


「グスン…さしずめ氷の女。さきほども氷魔法使ってたみたいだし」


 古舘はかなりショックだったようで、目に涙を浮かべている。


「こ、こら!ナスカ!古舘さんにまで失礼な口をきくな!」

 ショーンKがフォローする。


「古舘さんの実況がなかったら、お前は確実に死んでたんだぞ!」


 ナスカはかなりの毒舌家なようだ。


「構いません」

 ナスカは氷のような表情のままそう言い放った。


「いやそしたら私達全滅確定だったのだが…」

 ショーンKが苦笑いする。


「ああ確かに…でもそちらの奇妙な服装をした、ええとフルなんたらさん?」


「名前すら覚えられてないのか!」


 古舘はベランダに干されている敷布団のように腰ごと俯き、そして号泣しだした。


「古舘伊知郎さん!!命の恩人だぞ!」

 ショーンKが怒る。


「長くて覚えられないのでどうでもいいですが」


「ピギィぃぃぃぃ!!」

 古舘は空に向かって泣き叫び散らす。


「その人はイレギュラー要素でしょ。さっきから気になってたその服装もそうですけど、私は味方だと思ってませんよ。ガンバルデウス指揮官」


「ん?ぐすん…ガンバルデウス…?ぐすん…誰です?それひっくあぐ…あぅ」

 古舘が泣きながら問う。


「ああえっとこの名はこっちの世界に来てから名乗った名前なんですよ!」


 ショーンKもといガンバルデウスはしどろもどろになりながら古舘ばりの早口で言った。


「異動先の地でも詐称してるんですねショーン…いやガンバルデウスさんでしたっけ」


「そ、そうガンバルデウス!さすが古舘さん!覚えが速いですね!」


「強そうな名前でいいと思いますよ。走れメロスに出てくるセリヌンティウスみたいで」


 古舘は呆れながらショーンの顔からは目線をそらして言う。


「そ、それメロスの保証人になって死にかけたやつーー!!」

 ショーンKはツッコむが部下の兵士含め誰も反応しない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る