第17話 この私の助言を聞き入れたナスカは私の金言とも言えるアドバイスのおかげで私のありがたい助言により勝つことができ…ショーンKさんどうしたのですkゴフッ


「ナスカが今…剣を捨てた。さあ、ここからが本当の背水の陣でありますナスカ」


 古舘実況はだいぶクールダウンしている。


「いや!いくら古舘さんでも今回の発言はちょっと突飛過ぎますって!」


 ショーンKの訴えも虚しく、古舘はもはや実況かたることはないとばかりに口を閉じた。


 ナスカはよろめきながらガイコツ騎士に向かっていった。

 間合いにガッツリ入ったところでガイコツ騎士が剣を振り下ろし、剣身がナスカの左肩にズブリと入り込む。包丁でホールケーキを切っているのかというくらい綺麗に刃がはいっていく。


「ナスカ!!」

 思わずショーンKが叫ぶ。

 古舘が口を開く。

「ナスカが拳を握りしめガイコツ騎士の顎めがけて大振りにアッパーをしたのであります!」

 先読み実況だ。

 …いやもうこれ実況なのか?


 古舘本人も含めそこにいる人間全員がそう思ったが、ナスカはもう古舘の言うことを既に受け入れ剣を捨ててしまっていたので、殴るしかなかった。


 だがナスカは徒手空拳の極意も身につけていた。

「ジャンピングアッパー!!まるでカエルのように天に対して拳を突き上げますナスカ」

 ショーンKを含め皆、もうダメだと肩を落とした。


 が、結末は予想外だった。

「とれたーー!!」

 顔を真っ赤にして実況している古舘。

「そ、そうか!斬撃が効かないから打撃が有効だと思ったのか」

 と呟いたショーンK。


「なんとガイコツ騎士の頭が首の骨から離れ後ろに飛んで行きましたーーーー!!サッカーボールのように転がっていきます!」

 その直後主を失い統率がとれなくなった集団のごとく、ガイコツ騎士の首から下の体も

 ガラガラと崩れ去った。

「今、決着が着きました!!!!ガイコツ騎士の介錯、完了であります!」

 早口ではなくしっかりと丁寧に実況をする。


「勝ったのはナスカ。どちらが勝ってもおかしくはなかったこの死合い!」


 ナスカの勝利。

 セコンド古舘のおかけである。

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