第16話 『近畿地方の…』


 先日のことでございます。仕事帰りにふと、本屋に寄ってみました。するするっと、いつもとはちょっと違うコースで本屋の書棚に近づいたのでございます。


そして、何気なく平積みにされた本に目をやると『近畿地方の……』の本があったのです。


すっと手に取り、すぐに戻してその場を去りました。


はい、恐かったのです。


 私はホラーは恐くて、駄目なのです。特にグロは×でして、ゾンビものは見たことはありません。ヒッチコックの『鳥』ですら、途中で見るのを止めてしまいました。


恐ろしいのは駄目なのに、カクヨムで読み出したら、恐くて先を読まずにはいられなくなり、最後まで確りと読んでしまいました。レビューすらも書いてしまいました。


本が出ることは知っておりましたが、買えないのです。


いくつか、そんな本があります。出張先で読んで置いてきてしまい、後悔した本に京極夏彦の『魍魎の匣』があります。


あれも恐くて、自宅に持って帰れなかったのでございます。再購入もしていません。


では、家にホラーが無いのかといわれると、あるのです。三津田信三の本など、刀城言耶シリーズとか、文庫本ですがほぼあります。


何が基準なのかよく判らないのですが、読んでみて駄目だと古本屋に直行しますが、三津田さんの本はうちにそのまま置いてあります。


そういえば、鈴木光司の『リング』は、読み始めたら恐くて、夜更かしして読みあげてしまいました。


が、読み終わると全く恐くなくなってしまいました。そういうのもありますねえ。


あれで知ったのは、「わからない」というものが一番恐いということでした。現象が段階で、恐くなくなったのです。多分。


自分が心底恐い本は、駄目なのです。家に置いておくのも駄目なのです。


では、ホラーを目にしなければ良いのに、と自分でも思うのですが妖怪は好きなので、昔話、神話なども好きなのでついつい読んでしまうんですよねえ。


今回は、まるで本に呼ばれたかの如く手にまで取ってしまいました。はっきり言って、誇張じゃないんです。ネタでもないのです。手に取るまで、意識していなかったのです。


申し訳ないのですが、恐すぎて多分、買えないです。

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