第4章 デート 第2節 働かない理由 

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 「何にする?私がおごるから。」


 「んーと、そうだなあ、

どうしようっかなぁ、

えーっとね、えーっと…。」


 二郎じろうは優柔不断になることが多い。



 『選べない』理由にはいろいろある。


 そこには『心理的葛藤しんりてきかっとう』がある。



 『どれも良さそう』


 『どれもいや』


 『2つか3つまでには絞れても、

そこから1つに絞ることが難しい』


 『選ばなかった方を

選んでおけばよかった、

と後悔するのが怖い』 


 『選ばれなかった側が、可哀そう』


などなど。




 「えーっと、じゃあねぇ。」


 おっと、決まったらしい。


 「サバの味噌煮定食。」


 「…それ、安いやつじゃん。

もっと高い定食でもいいよ。

1日中、子供たちの

ケアをしていたんだから、

疲れたでしょ。」


 「うーん、でも、サバの味噌煮、

久しぶりに写真見たら食いたくなった!」



 「これは?魚もついてるし。」


 沙恵さえはメニューを指さした。


 「ああ、じゃあ、

それにしようかな、

なす味噌と…焼魚の定食。」


 「私は、特から揚げ定食。

から揚げは神。」


 2人は注文した。

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