第3章 使い道 


 荷物は無事実家に届けられた。


 両親には別の仕事に就くことにした、

とだけ言うと、

沙恵さえの両親は、

沙恵の意思や行動を尊重して肯定してくれた。


 「今夜はお寿司をとりましょう!

私が極上の5人前を御馳走するから。」


 「ええっ、3人なのに、

5人前頼んじゃうの?

でも、ありがとう。

馳走ちそうになるわね。」


 沙恵の両親は、

沙恵の好意を素直に受けてくれた。


 沙恵は、

両親に黙って

突然退職してしまったことについて、

せめてものつぐないと、

今まで寛大かんだいな心で

わがままを受け止めながら

育ててくれたことに、

あらためて感謝をすべきだと思った。


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