第2章 再会  第2節 楽しい食事

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 「とにかく、私は大金持ちになっちゃったのよ。

だから、

焼き肉屋さんでたくさん頼んでも大丈夫なの。

…話を戻すわね。まだ奨学金を返しているのよね。」


 「…うーん。だけど、

お金の話は、良くないんじゃないかな。」



 「…二郎じろう。これはね、『人助け』なのよ。」


 「人助け?」


 「そう。だって、働きもしないのに、

『棚から牡丹餅ぼたもち』みたいに、

いきなり通帳に記載されただけのお金なのよ。


汗水たらして働いたわけじゃないのに、

所有者は私なの。


だから、このお金は、

早いうちに全額使わないといけないの。

わかる?

早く全額使わないと、

つまり、

早く世の中に全て流通させて還元していかないと。


このお金を、

待っている人たちに早く届けたいでしょ?」


 「ああ、確かにそうだね。

こんなお金、持っているだけじゃ、意味ないし。」

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