第2章 再会  第1節 謎の名義と大きな数

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「・・・セカイトノカケハシ・・・ 6,000,000,000・・・。」


 沙恵さえは、

振り込まれた金額については、

一度横に置いておいて、

会社から振り込まれた

給与の一部を引き出して財布に入れた。


 高価なアンティーク調のスタンドを

探そうと思ったが、

予期せぬ出来事に呆然ぼうぜんとしてしまい、

とりあえず『マクドナルド』に入って

ビッグマックのセットでも食べて

落ち着こうと思った。


 こんな時でも

たくさん食べられるのが沙恵である。

 沙恵は、落ち着いてこの現実を

受け止めなくてはならないと思った。

 


(お札なんて所詮は

日銀が借主として発行した借用書。

銀行を介して、

私に借金をした証としての紙に過ぎないのである。


私がお金を流通させること、

つまり、何かを購入することにより、

日銀の借金が消えてゆくしくみなのだ。

冷静にとらえよう。)

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