第1章 幼馴染な2人  第2節 優秀な好青年吉田二郎(24)

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 服部はっとり家と吉田よしだ家は、

両親ともに穏やかで仲が良かった。


 沙恵さえ二郎じろうは、

2人とも忙しい生活を送っていたので

あまり会う機会もなかったが、

両親同士は町内会の集まりなどで、

よく対話をしていた。



 「沙恵ちゃん、まだお勤めされているんでしょう?

偉いわねえ、女の子なのに。」


 「二郎君こそ、お医者様になられて。

本当に良かったですわね。」


 「でも二郎は、病院勤めを嫌がって、

朝からボランティアをして、

アルバイトは塾講師ですし、

全然医療に携わっていないんですの。」


 「二郎君は、子供の頃から、

とても優しい男の子でしたものね。」


 「優しい性格っていうのも、度を超すと、

生きていかれるのやら…。」


 「大丈夫ですよ。

二郎君のことですから、

何も心配することなんてないですよ。」


 30歳の女性と、

24歳の男性についての対話である。


 幼馴染の両親というのは、

お互いの子供たちを

いくつになっても子供扱いするものである。

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