きゅう. らっきーにして、はっぴー… ~なのだけど、なにやら不穏です~

きゅう. 1


(…——。…)


 その夜。珠里じゅりは、気がつくと目をあいていた。


 誰かに叱られたような感覚…。


 理由もなく、睨まれて否定された…?


 イメージが残っているのに、よく眠っていたから、おぼえていない――そんな感じだ。


 けっして逆らえない、怖い視線にさらされたようなのに、いまは何事もなく、なじんだ自分の寝台に横たわっている。


(…いやな夢…、みたのかも…——)


 どんな夢だったのか、かけらも覚えていなかったが、それっぽい残滓ざんし(逆らい難い攻撃的な視線にさらされた感覚)がくすぶっていたので、珠里じゅりは、ひとり憶測し納得した。


 寝返りをうって、目にした時計は三時七分をしめしている。


 ねむくなくても、起きだす気分にもなれなかった珠里じゅりは、そのまま目を閉じた。

 さほど苦労することもなく、ねむりに落ちてゆく。 

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