3話 アルコール依存show

 夏に行われるsyrup16gのライブに向けて、少し体を絞ろうと思っている。とりあえず酒はやめて、1日1食にする。そうすることで速攻で痩せることが可能。


 夜の1時に目が覚めてしまった。


 変な時間に目が覚めた。やる事が無い。


 ベッドの中でゴロゴロしている。


 お茶を飲んだ。


 うまい。


 何もやる気が起きない。


 最近、暖かくなってきた。春は不審者が増える時期だ。気を付けてね。(不審者より)


 真夜中、ベランダに出て星を眺めながらタバコを吸うとめっちゃ美味い。今見えてる星って江戸時代の星なんだっけ? 知らない。


 夜の静寂が感傷的で少し心地いい。


 何もやる気が起きない。


 今日syrup16gのライブのブルーレイが届く。楽しみだな。


 何もやる気が起きない。精神薬を飲んでも意欲が湧かない。何かしたくて心がソワソワしているが、何もしたい事が無い。やる気がない


 何もやる気が起きなくて退屈だ。


 でも働きたくない。というか、もう単発バイトくらいしかできない。普通に働く能力があるなら年金なんて貰えないしな。


 シラフだと消えたくなってしまうが、ダイエットの為に酒はしばらくやめる。


 生きるって、ほかほかライスちゃんと約束したから、俺も頑張って生きる。日頃あんまり頑張ってないけど。


 ◆


 暇潰しに朝のニュースを見ていた。最近、コウロギパウダーを使った食品が流行ってるらしい。


 コオロギはちょっときつい。


「コオロギパウダー」よりも「Unknownパウダー」を使った食品の方がみんな抵抗なく食べられるんじゃないかと思った。


 Unknownパウダーってなに。


 酒飲まないと何もやる気出ない。


 今日はバイトだ。


 ◆


 バイトから帰ってきたが、まだBlu-rayは届いていない。


 HELL-SEEライブに備えて、アルバムの収録曲をたくさん聴いておこう。


 今、syrup16gの「もったいない」を聴いている。


 歌詞が、今の俺に刺さる。


 概ね、どうでもいい。


 どうでもよくないこともある。


 1人は寂しい。


 かなしくはない。


 俺は何の為に小説を書いていたんだろう。


 単なる時間潰しではない。


 誰かと繋がってみたかった。心と心で話したかった。それは何年も前に叶った。


 ちなみにHELL-SEEの曲の中で、ライブで物凄く感動する曲がある。「正常」という曲だ。ライブの轟音で聴くとめっちゃ圧倒される。syrup16gの中でもかなり名曲だと思う。ベースギタードラムボーカルが、唸りを上げて一つになってぶつかってくる感覚と言えば良いのか。とにかく凄い。


「ex.人間」も良い。ちなみに「元人間」と読む。人間を辞めてしまった男というテーマの歌詞だ。でも、唯一救いがあるとしたら、彼をメシに誘ってくれる女性がいるという点です。


 人生における救いってそんなもんだと思うんだよな。「一緒にメシに行こうよ」って誘ってくれる何気ない他人の存在で救われたりする。


 少なくとも俺は、神には救われなかった。


「居酒屋デートするまで死なないでね」って言ってくれた人によって救われた。


 神より、人だな。


 1番ライブで聴きたいHELL-SEEの曲は「不眠症」かな。めっちゃ好きな曲なのに普段ライブで全然やらないから。


 ライブ絶対いく。横浜のやつに行くぞ。


 チケット外れたら仕方ないけど、まあ外れないだろ。今まで全部当たってるし。


 ◆


 酒が飲みたい。完全なる依存症。4年前、22歳の時に医師にも診断された。


 真水に塩を少しでも入れると、そこからどんなに水を足しても絶対に塩水から真水には戻らないのと同じで、一旦アルコール依存症になってしまった人間は、一生元には戻れない。


 酒を辞めたいなら、一生欲望と戦う必要がある。


 酒が飲みたい。


 酒を買いに行きたい。


 本当にダメ人間だ、俺は。。


 酒を飲まないと情緒が不安定になる。


 でも俺はここで死ぬわけにはいかない。なので酒を飲む。酒を飲まないと、首を括る事ばかり考えてしまう。


 部屋の中に懸垂器があるのも良くないんだろうな。すぐ死を連想してしまうから。


 生きるって、ほかほかライスちゃんと約束したから、死なない。


 いつか居酒屋デート出来たらいいね。


 とりあえずカーテン閉めて部屋を暗くして寝る。


 何のやる気も出ない


 ◆


 結局、酒を飲んでしまった。


 一日一食は継続する。少し体を絞る。


 もう俺だめだな。酒が無いと生きれないわ


 作家の中島らもと同じ。


 中島らも氏は、酔っ払って階段から転落して亡くなった。


 痛かったのだろうか。それとも痛みすら感じる感覚も無いほど酩酊していたのだろうか。


 酒を飲むと、身も心も鈍感になる。


 同情なんて必要じゃない


 俺は幸せなんだ。満足なんだ


 この生活で


 それは嘘


 もう少し頑張らないとだめかな?


 でも頑張ったら潰れるだけ


 過去の俺がそう言う。


 察して


 俺、あなたが思うよりも頭おかしいんだ。きっと


 ◆


 17歳の高校生が猫を殺したり、中学に侵入して先生を切りつけるニュースを見た。俺はこいつを頭おかしいと思った。


 でも、もし全世界で戦争が起きていたら、こんな事件は報道さえもされないだろう。


 東日本大震災の時、火事場泥棒や強盗や泥棒が多発したのは有名な話だが、報道はされない。


 高校の時、世界史を習った。


 世界は常に戦争をしていた。日本も戦争をしていた。


 歴史は繰り返す。


 今も戦争は終わらない。


 極限状態に置かれた人間は、みんな壊れる。


 もう全て、俺はどうでもよくなってしまった。


 怒りや悲しみすら、今はない。


 哀れで、醜い。それが人間だ。


 戦争は終わらない。


 いじめも終わらない。


 自殺の連鎖は止まらない。


 あなたが生まれたことが間違いじゃないって、俺は言えない。悲しいけど。


 みんな楽しく生きるなんて、ありえない。


 でも今の日本では、楽しく生きられる。


 だから日本人に生まれたことを感謝して、みんなで楽しく呑気に生きようぜ。


 もう、この世の歪みはどうにもならないから。


 ◆


 俺は横浜のライブに申し込んだけど、ほかほかライスちゃんも横浜のライブに申し込んだらしい。また一緒のライブ見れる。嬉しい。





 次回に続く

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