3月9日 気象庁ありがとう


 もしかして、もう冬は去ったのだろうか。


 三寒四温という言葉の通り、この時期は暖かくなったり寒くなったりを繰り返す。ところがどうだろう、今年は一寒六温くらいではないか。

 毎日暖かい。私は15度を下回ると活動性が著しく鈍くなるため、暖かいことは大変ありがたい。


 が、ここで気を緩めてしまっても良いものだろうか。去っては来て、来たと思ったら去る。それが春だ。



 毎年のように思うことがある。「騙された」だ。

 セーターをしまい、冬物の布団をしまい、ダウンコートをクリーニングに出した頃合いを見計らって、去ったと思っていた冬が戻ってくる。春はまだ完全には来ていなかったのだ。騙された!


 ……これを、毎年やっている。


 我ながら学習しないなとは思うが、仕方がない。春は例外なく浮かれているのだから。



 ところが今年は、ふと我に返った。なんか、暖かすぎない?


 毎年春に(あるいは冬に)騙されている私が、なんと自分から気がついたのである。春って、毎年3月くらいに、一回いなくなるよね。今年は? ……と。

 「幸せすぎると不安になる」とは、もしかしたらこういうことなのかも知れない。


 あまりにも不安なので、気象庁のホームページを見にいった。

 余談であるが(このエッセイそのものが余談の塊みたいなものだが)、私は気象庁が好きだ。いわゆる「推し省庁」である。(ちなみに「推し国立研究開発法人」は、防災科学技術研究所)

 税金高すぎるだろ、と腹が立ったとき、私はいつも「でも気象庁さんの懐に私のお金が入るなら……!」と考えて溜飲を下げている。



 さて、気象庁のホームページには、ありとあらゆるデータが載っている。天気予報や地震情報はもちろん、長期気象予測、過去の気象データと専門家による分析、台風の統計データ、海洋中の二酸化炭素濃度推移データ、長周期地震の観測情報などなど……。とにかく盛り沢山だ。

 しかもこれが全て無料で公開されているというのだから、もう気象庁様様である。ちなみに、不確定要素(カオス)を考慮した気温の累積確率データは、わざわざエクセル形式でダウンロードさせてくれる。なんなんだ気象庁。大好き。


 案の定話が逸れたが、とにかく春の気温が気になったので、気象庁ホームページで季節予報を確認した。

 そうすると、向こう1か月は例年並みか、例年より暖かくなる見込みだということが分かった。念のため向こう3か月の予報も見てみたが、少なくとも例年より寒くなる可能性は低そうだ。


 予報は予報。もちろん外れることもあるが、ひとまずはホッとひと安心。今年は、もうダウンコートをクリーニングに出してしまっても良いかもしれない。



 今回は春の話というよりも気象庁の話になってしまったが、気象庁のおかげで春を満喫できるという側面もあるので、セーフとしよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る