第33話

「ルッチ〜大丈夫?」


イーナが部活を終えて、俺のことを手伝いに来てくれた。

だけど、生徒会長に手伝ってもらい提出しだったので、一緒に帰ることにした。


そういえば、あの先生。俺が全部終わらせて提出したらビックリしていたな。


「な、適当に答えを書いたんだろ!!」


「確認してみてください。」


「ぜ、全部正解....」


全部終わらせて来るとは思わなかったんだろうな。先生の驚いた顔を見て面白かったな。


「へえ〜あの生徒会長が手伝ってくれたんだ」


「でも、脅迫されて生徒会に入れられた」


「最低だね。私が知っていたテニーとはかなりイメージが違うけど」


「生徒会長には教師に命令できるの?」


「出来るわよ。この学園では、学園長・生徒会長・教師・生徒と言う順でランク付けされているから、生徒会長は教師に命令することが出来るよ」


まじか、教師より生徒会長の方が権力が強いのか...

生徒会長が教師に命令出来ないって分かれば、生徒会を速攻で辞めてやろうと思ったのに。


****


放課後、急に俺がいる教室に生徒会長のテニ―がやって来た。

最初は、エリスの事を迎えに来たのかと思ったが、この教室にはエリスは居ない。

エリスは生徒会室に行くのを見たので、すれ違ったのかと思ったが生徒会長は俺の方に向かってきた。



「さあ、今日から生徒会の仕事だよ」


「え」


「早く生徒会室に来い。かれこれ、一週間も来ていないじゃないか。」


「ええ~」


確かに、生徒会室に行かなかった俺が悪かった。

だけど、めんどくさいじゃないか。生徒会に入る紙を脅されて書かされて...俺から入ると決めたところなら毎日部活動に行くけど、そうじゃないから生徒会室には行かずに一週間が経った頃に生徒会長が教室まで押しかけて、俺の事を教室まで来て強制的に迎えに来た。


「さあ、行くよ」


「わ、わかりました...」


俺は生徒会長の背中を追いながら、生徒会室まで向かった。

途中、このまま逃げ出そうかと思ったが、後が怖いと思い逃げ出すのは辞めた。


「着いたよ。」


「ううう...」


生徒会室に入ると、ソファーに4人が居るその中には、エリスの姿もあった。

真ん中に、生徒会長が座る椅子と机がある。


「え~と、今日からこの生徒会に入るルッチさんだ。」


「よ、よろしくお願いします。」


『ガシャン』


突如、何かが割れる音がした。

どうやら、エリスが動揺してカップを落としたようだ。


「す、すいません」


エリスはカップの破片などを片付ける為に、掃除道具を取りに生徒会室を出て行った。


「じゃあ、紹介するね。私の身の回りの事をしてくれる執事でありこの学園の生徒の黒髪の男がデビス」


「一応魔剣士で、テニ―様の護衛をしています。よろしくお願いします。」


立ち上がり、90度でお辞儀をした。

流石執事、俺もこの人からメイドとして学ぶことは多そうだ。


「で、その横に入るピンクの髪の女性がミルルだ。」


「あら、可愛い子ですね。よろしくルッチちゃん」


優しそうな顔で、手を振ってくれる。

俺も、手を振り返した。


「で、そこにいる目にクマのある黒い髪の男が、この学園の偵察検・悪いことを取り締まるニジャだ」


「よ。よろしく」


俺と同じ、人見知りなのか黒い包帯で口を隠し

なかなか、個性的な人達だ。


「エリスの事は同級生だから知っているね」


「あ、はい」


生徒会の人たちの自己紹介が終わった。

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