第6話 いい感じ

 ミステリーを書くには弁護士になるか警察官になるのが早いと思うし、病院を書くには医者か看護師になるか病人になるのが早かろうと思う。

 想像で描くには限界があると思う。

 母親にならねばそれっぽい母親が描けない。

 少年漫画にでてくる聖母のような母親像を描いてしまうのだろう。


 もっと言えば、仕事をしなければ真剣に仕事をしている人に息を吹き込むように描けないし、大学生にならなければ大学生活は輝くように描けないだろう。

 反対に、中学校から働いている人も描けないし、結婚した人のことも、結婚しなかった人のことも、子供を産まなかった人のことも、心を病んでしまった人、あるいは犯罪を起こして後悔する人も、人を殺してしまうような人のことも想像で描くことはとても難しい。

 主役にできるような素敵な人に会ってみたい。織田信長と坂本龍馬は必須だな。あとええ感じに壊れた人にも会いたい。ナポレオンははずせない。


 小説家になるには人生はあまりにも短い。

 10回ぐらい記憶を持ったまま生まれ変わらなければ難しいなあと思うのだ。


 



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