異世界ではスライムに転生したいじめられっ子、現代に戻ったら最強だった。

ゆるる

異世界転生

なぜこの世界では上下関係というものが生まれてしまったのだろうか。


生まれた時にはみんな同じ泣くことしかできない赤ん坊。


俺もまたその1人で、『あいつら』もその1人で、偉そうな政治家たちも、先生もみんなそうだ。


元は同じ人間の赤ん坊なのに、人間の中で理不尽な上下関係が生まれてしまった。


ーもう飽き飽きなんだよ、こんな腐った世の中。



俺はいじめを受けている。

学校に行っても履く上履きは無い。『あいつら』に捨てられるから。何度買っても同じ。

俺は職員室へスリッパを借りに行く。

「お前さあ、無くしたなら早く買い変えろよ」

違う。買っても買ってもキリがないんだよ。軽く謝ってスリッパを履き、教室へ向かう。


今日は机に落書きは無かった。


「あれーー??お前またスリッパなのぉ??」


「1人だけ違うと思ったらお前じゃーんw」


早速話しかけてきた。めんどくさい。本当に何が面白いんだか。


俺がフルで無視すると、1人が話題を変えた。


「今日は弁当持ってきたか??w」


弁当がなければ汚い水と腐った食べ物を渡され、弁当があれば砂を混ぜられる。


さすが、こいつらも『中学生』なだけあって頭がいい。

殴る、蹴る、みたいな露骨にいじめっぽいことはしてこない。

どちらかと言うと証拠が残らないように影でコソコソして反応を楽しむ方のいじめである。


先生に報告しても「証拠」の一点張り。もはや加担しているとしか思えない。



こんな世の中にはもうもはや何の期待もしてない。

だから俺は一つの結論を出した。


『死のう』


俺は目を閉じてマンションの五階から派手に飛んだ。

落下しながら横切る風はとても心地良く、爽快感があった。


この世界から解放される。もうあいつらには会わない。



でも、やられっぱなしの生き方だったな。俺。



そう思った瞬間、空気が変わった。体の感覚も無くなった。

目を開けると、そこにはゲームの中のような世界が広がっていた。


見たことのない植物に、生き物に、あの奥のは、あーー町か。


俺は。

えっとー、スライム??


『そう、スライムだ』

頭の中に直接語りかけられる。

『お前にはもう一つの命を授けた、いわば異世界転生だ。』

ガチか。

『ガチだ。まあうまくやると良い』

うまくやれって。死んだつもりだったのに1からやり直しで、いじめられたことしかないのに大丈夫なのか、、。

ってかお前誰だよ。

『神だよ』

まだいたのかよ。


ーこうして異世界ライフがスタートしたのだ。




このスライム、呪文も覚えてないのか!攻撃はできるけど攻撃力はなんとも言えないし。

とりあえずレベル上げて、技もたくさん覚えていかないとか。


なんとなくやっていたゲームの知識なんかも交えて、俺は自分自身を高めた。




ー100年はいたはずだ。現世を忘れるほどこの世界に没頭していた。



そしてある日。かなり上手の勇者に殺された。

異世界ライフは幕を閉じた。


そう、これは俺の異世界ライフをつづる物語ではない。

『第二転生後』の物語である。

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