第26話

集合して王都に向かう


王都まではそこまで遠くなく。1時間ちょっとでつくらしい。

馬車に乗って索敵を発動させ、少し話ながら王都に向かう。


だんだんと近付いてきて、都市の大きな塀と門が見えてくる。それからはもう、あっという間だった。


馬車では、なぜ異世界人を召喚するのかについて、聞かせてもらった。

だいたいの理由としては、魔王の動きが活発になりアーノルド国内の街なども襲われ、多くの国民が死んだかららしい。

その為、世論では魔王を許すな!と大々的にだされ、対応しざる終えなくなり特殊な力を持つ異世界人を召喚することにしたらしい。


世間には広まっていないが、どこかの国が武器の輸入や大量生産をしているとの情報があり、それが自国に向かないように、異世界人を召喚し抑止力にしようということらしい。


他には、異世界人の召喚の儀についても教えてもらった。これをするには、【固有スキル】異人召喚が必要になるらしい。

またこれには多くの力を必要とするため、【MP】を多く持つ魔術師を10人ばかり集め、行うらしい。とても大きな力を使わないといけないため、短期間で何度も召喚するのは難しいらしい。


こんな感じで知らなかった知識が手に入った。


王都について、まず思ったのは人が多すぎる。

あの街とは比べ物にならないくらいの人がいて、所々ドワーフや獣人など種族の人も混ざっている。

アリシアさんが言っていた通り、屋台などが多く立っていて活気が溢れている。



とりあえず助けてくれたお礼をしたいと言うことで、無理やり王宮に連れてこられた。


なんというか場違い感がすごい。王宮はもちろん豪華で広く、廊下には絵や壺、肖像画や彫刻?のようなものまで飾られている。まるで美術館にでも来ているようだ。


緊張がヤバイが王と対面する。

王は60代くらいのおじいさんで、長い白髪を後ろで結び、整えられた白い髭を生やしている。高貴さや王の器が、己の身にひしひしと感じている。


しかしそれ以上に静かなる強さも感じる。王になる前までは戦場に立つ戦士だったのだろう。かつて戦ったトロルジェネラル以上に、厄介そうだ。そう思っていると、


「わしの娘を助けてくれてありがとう」


俺は慌てて返す。


「国王、頭を上げてください。当たり前のことをしたまでですから」


そういうと本当に感謝を含んだ目をして、


「謙遜をするな。助けてくれたお礼に何か褒美として欲しいものはないか?」


「なんでも良いのでしょうか」


「うむ」


何にしようかな。俺からしたら金が一番ありがたいかな、と思いそれを伝える。

そうすると王は俺にたっぷり金がつまった、革袋を渡してくれた。

とりあえず用事はそれだけだったので、逃げるように王宮を出る。


なんか疲れた。貴族しかいないような、あんな感じの豪華な場所はとても緊張するし、かたみがせまかった。


袋のなかを見たら白金貨5枚と金貨250枚が入っていた。

多すぎじゃない?……。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る