コノサキノテイリュウジョ

停留所

ちょっと君、

そんなに急がないで

秤の動きが悪いなら

ここでひと休みしようよ

ほがらかな円弧の先に

ハンモックを張って

体重と思考を行ったり来たり

呼吸器のふくらみを巡ったり

ここで挫けてみようよ

優しさも繊細さも

葉に縋る水滴のように

ほんの少しここに留まる

だから浴びようよ

この贅沢な作画時間を

記憶に変換しようよ

君の想像力は今日も

着地を知らないまま膨れあがり

ひらがなや漢字

舌でふやかされる音

スワイプが盗んでいった

空中浮遊の時間

別れ際の名残惜しさを

もくもくと

思考でつきとめる

鼓動で捕獲する

だから私は

君が生まれる前から抱きしめていた定点と

話がしてみたい

今この停留所を

通過してしまう前に

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