第15話最後のチャンス到来②

「こんにちは」


「は~い、あら~和扇先生、あなた~

和扇先生ですよ~」


「や~先生、こんにちは」


「こんにちは」


「今日は、どうされましたか?」


「祈祷していますと、明日は泰造様は家から

出ない様にと、お告げがございまして」


「えっ!明日ですか?」


「はい!例え庭先でも、出ない方が良いとの

事でしたから、急では有りますがお伝えに

参りました」


「それは、ありがとうございます、ただ

先生、私は明日、会が有りまして、どうしても行かなくては」


「休む訳には、まいりませんか?」


「はい!私が、その会の会長で、次の選挙の

出場を決める大事な会なんですよ!」


「困りましたね、私からは、お気を付けて

としか、もう言い様がございませんね」


「和扇先生、どの様な暗示ですか?」


「身体に命に、関わる重大な暗示かと」


「あなた、休んでください!」


「明日は、次の選挙の出場に関わる大切な

会なんだ!どうしても行かないと!先生

どうにかなりませんか?」


「そんなに大切な会なら、私の身体を使って

結界を張りましょう!泰造様は、ご自身の命に、いくら出せますか?」


「私の命ですか?それは、いくらでも1億

でも2億でも、出します!」


(やっぱり!本当に不必要なプライドだわ!

お陰で、仕事がしやすいわ!)


歌保は、顔には出さないが腹の中で、笑って

いた。


「では、用意してくださいませ、それが

用意出来たら、私の身体を使って泰造様に

結界を張りますので」


「分かりました!母さん、銀行に行ってくる

から通帳と印鑑を、全部用意してくれ!」


「はい!今すぐに」


そして、泰造は全部の通帳と印鑑を持って

銀行に向かった。


「あなた、気を付けて」


「あ~」


「佳子様、今日は大丈夫です、私がここに

居ますから」


「和扇先生、家はどうして次から次へと

和扇先生が居なかったら、私達は、とっくに

死んでいるんでしょうか?」


「そうですね!泰造様は、今迄、色々な人を苦しめ、困らせて来られたと言うのが、見えました、そして、もう一人、人を殺した人が

居ますね?」


「えっ!和扇先生それが見えるんですか?」


「はい、ハッキリと見えます、だからお札を

置いたり、家のお祓いをしたりしたのですが

その憎悪が、悪霊になって凄い勢いに

なっております、今はあのお札や、家のお祓いで何とか守られていますが、明日の泰造様は、非常に危険な状態になります!私が一緒に行く事は、不可能なので、何とか結界を

張っておきたいですね」


「和扇先生、本当に何から何まで、ありがとうございます!」


少しすると、泰造が帰ってきた。


「先生、ここに1億有るから、お願いします!」


「分かりました、では始めましょう」


泰造の噂話等は、地元に居れば、嫌と

言う程、入って来る。

歌保は、それを利用して泰造と佳子を

落とし入れるのだった。


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