第29話ブーケトス

婚礼と言えば、ブーケトスが有る。

女性達には待っていた瞬間だった。

すると早川が、突然マイクで喋り出した。


「今日は、皆さん本当に、ありがとうっす!

ブーケトスなんすが、本来なら真理亜さんが

投げるべきなんすけど、どうしても渡したい

人が居るっす!だから手渡ししたいんすけど

いいっすか?」


すると参列者から


「いいぞ!」


「二人の婚礼何だから、好きにしろ!」


と、暖かい言葉が飛んで来る。

早川と真理亜は、見詰め合うと頷いた。

そして真理亜が、歩き出した。

真理亜は脇目も振らずに、そして柊の前で

足を止めた。


「お~」


歓声が起きた。

権田も柊も、ビックリして居る。


「権田さん、柊さん、何時も勇也さんを

ありがとうございます!次は柊さんの番

ですよ!」


そう言って、ブーケを渡した。

真理亜は権田を見て


「柊さんを、お願いします!」


と、頭を下げた。


「あ~真理亜さん、頭を上げて、柊いや

悠里は俺が、一生守るから安心してください」


すると真理亜は、満面の笑顔になって


「はい」


そう答えて、早川の所に戻った。

婚礼は、無事に終わった。

ブーケを貰った柊と権田。

権田は柊を、家迄送った。


「賢介さん、良かったらコーヒーでも

飲んで帰りますか?」


「あ~いいのか?上がっても」


「いいですよ、何も無い部屋ですけど

どうぞ」


初めて柊の部屋に入る権田。

本当に何も無い部屋だった。


「悠里、本当に何も無いな?」


「私、駄目なんですよ!こう物がゴチャゴチャ有るのが、賢介さんの部屋は?」


「まぁ~良く似てるな、何も無いわ、そう

言われれば、ハハハ」


「フフフ」


コーヒーを飲む二人。

そしてコーヒーを飲むと権田は


「じゃあ又、明日な」


「はい」


そう言って、帰ってしまった。


(あ~やっぱり、賢介さんはプロポーズ

とか、ひょっとしたら結婚も、しないのかな?でも私が好きだから、着いて行こう!)


そう決める柊。


(プロポーズして欲しかったかな?でも

今じゃ無いんだよ!もう少しだ、待って

くれ、悠里)


と、権田も気にしていた。

その時、柊に魔の手が伸びているとも

知らずに。

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