第17話2カップルの食事

早川は真理亜との、待ち合わせ場所に

急いで向かった。

早川は、真理亜を見付けると、手を大きく

振って走って行った。


「早川さん、そんなに急いで来なくても

私は、逃げませんよ」


「こんな可愛い真理亜さんを、待たせて

しまって、本当にすみませんす!」


「もう~早川さんは、そんな事を何時も言うんですか?」


焦る早川。


「いえ!真理亜さんだけにっす!」


「フフフ、じゃあ食事に行きましょう」


「そうっすね、何が食べたいっすか?

イタリアン、中華、和食どれが、いいっすか?」


「そんなに言われると~う~ん、じゃあ

イタリアンで」


「了解っす!」


そして、二人はイタリアンのお店に行き

食事をした。

もっぱら話は、権田と柊の事だった。


「早川さんは、お二人の事が好きなんですね?」


「はい!もう最高の先輩なんすけど、二人共

いい年なのに、恋愛になると全然駄目で

僕が愛のキューピッドになって、今二人で

食事に行ってるんすよ!もう本当に

心配っすよ!」


「フフフ、お会いして見たいな~」


「是非、一度会ってくださいっす」


「いいんですか?勝手に決めて?」


「いいっす!僕は愛のキューピッドっすから

是非」


「じゃあ喜んで」


二人は和やかに、食事をしていた。

一方、権田と柊は


「何だか、妙な感じだな?何時もは

うるさい早川が、居るからな」


「本当そうですね」


「柊、何が食べたい?」


「う~ん、今日は焼き肉かな?」


「よし、行くぞ」


焼き肉店で、柊は又、山程注文する。


「お前?これ、全部食べるのかよ?」


「もちろんですよ」


「あ~それと、柊は本当に、お見合い

どうするんだ?」


「え~それは、断ります、最初から嫌

だったんで!」


「そうか、そうか」


機嫌のいい権田に、柊が突然


「権田さんは、どうして結婚しないん

ですか?」


の質問に、むせ返る権田。


「何だよ!急に!」


「いや、どうしてかな?って思って」


「俺は事件になると、家庭を省みなくなる

だろうから、俺の嫁になる人が可哀想だな?

って思ってだよ」


「え~仕事を頑張る男性は、素敵じゃ

無いですか!」


と言って、柊はハットした。

二人の間に、沈黙が流れる。

そして


「「あの~」」


二人が同時に、口を開く。


「柊から、どうぞ」


「いえ、権田さんから、どうぞ」


そして権田が、口開いた。


「柊?俺はお前を、ずっと見て来た

高井さんの事件が、有ってからは又、人一倍

努力している姿もな、本当に良く頑張ってる

と思うよ!こんな俺だが、付き合わないか?」


「えっ?権田さん、本気ですか?」


「冗談で、こんな恥ずかしい事、言うかよ!」


柊は、嬉しくて胸が、高鳴っていた。


「柊、お前、本当にお見合いは、いいのか?」


「はい!母にも会って嫌なら、断っても

いいって言われてますし、最初から

本当に、お見合いする気が、無かったんで

権田さん、私でいいんですか?」


「柊だからだよ!」


「嬉しいです、私も権田さんと、お付き合い

したいです」


安心した権田は、珍しく頬が緩む。


「よし、決まりだな!よろしく」


「はい、よろしくお願いします」


今日は、二人にとって、最高の食事に

なった。


「自称、愛のキューピッドの早川に感謝

だな?」


「そうですね、キッカケを作って、くれたんですからね」


と、二人は笑い合った。

その頃早川は、くしゃみを連発していた。


「真理亜さん、この、くしゃみは、きっと

権田さんと柊さんが、僕の悪口を言ってるっすよ!」


「そんな事無いかも?ひょっとしたら

食事に行けて、感謝してるかも、知れませんよ」


「そうっすかね?明日、署に行ったら

聞いて見るっすよ」


「フフフ、そうっすね」


2カップルは、和やかに食事を終えて

家に帰って行った。

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