第6話オレオレ詐欺①

朝コーヒーを入れた早川は、権田さんと

私に同時に渡して来た。


「よし!これっすね!」


「早川、お前は朝から何をやってんだ?」


「いや、どちらにも1番には出せないから

同時に渡す事に、したっす」


「早川、あんたは何だか幸せだね?」


「そうっすか?」


「そうっすよ」


3人でコーヒーを飲んで、資料に目を通して

いた。

電話が鳴った。


「はい!………了解です!」


「権田さん、今日は?」


「オレオレ詐欺かも知れないと、銀行から

通報が有ったそうだ」


「直ぐ行きましょう!」


現場に着くと、老人が500万円を出金しようとしたらしく、銀行員が不審に思い通報して

今はまだ、出金していない状態だった。


「あの~何処か、お部屋をお借り出来ますか?」


「はい、こちらに個室が、ございますので

どうぞ」


私達は、その老人を連れて、部屋に入った。


「おばあちゃん、警察です、500万円も

どうするんですか?」


「息子から電話が有って、事故を起こした

けど保険に入って無いから、相手の車の

修理代に500万円要るから、下ろして欲しい

と、言われまして」


「そして、下ろしたら、どうするって言って

ましたか?」


「自分は警察の人と、事故の話が有るから

吉田って言う友達に、取りに行かせるから

って言ってました」


「完璧だな!」


「ですね!」


「おばあちゃん、ひょっとしたら詐欺かも

分からないから、お金は下ろさずに、下ろした振りをして、家に帰って貰えますか?

そして、電話が掛かって来たら、お金は

下ろしたからと言って、取りに来て貰って

ください、私達が外で見張ってますから

電話の時も、詐欺とか言わないでくださいね

犯人が逃げちゃいますから、出来ますか?」


「はい!本当の息子なら、いいけど詐欺なら

渡したく無いですから、大切なお金ですから

やります」


「そうですよね、じゃあ帰りましょう

どうやって、ここ迄来たんですか?」


「歩いて来ました」


「じゃあ歩いて、帰りましょう後ろから

私達が着いて行きますから、安心して

くださいね」


「はい、ありがとうございます」


そして、先におばあちゃんが、銀行を出る。

それから、少しずつ間隔を空けて早川、私

権田さんが後を着いて行く。

おばあちゃんは、何事も無く家の中に入って

行った。


「さぁ、ここからだぞ!」


「そうですね!必ず捕まえましょう!」


「許せないっす!」


3人は別れて、見張りについた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る