復讐の鬼、番外編、女刑事、柊悠里

aki

第1話強盗事件

この作品は、3月10日に投稿する

《復讐の鬼》に出て来る刑事の中の

1人、柊悠里を題材にしました。

ある事件を担当した、柊達が犯した

過ちとは、この作品でも触れますが

後は本編を、ゆっくり読んで頂けると

嬉しいです。

この作品は、短編で一応、全10話です。

10話目の投稿に会わせて、本編の1話目を

投稿出来る様にしています。

では、女刑事柊悠里を始めます。

___________________

私、柊悠里は刑事になって6年目になる。

そんな私の刑事人生、姿勢を変えたある

1つの事件が、有った。

中学1年生の女子高井愛奈が、飛び降り自殺をした。

両親は自殺では無い、殺されたから調べて

欲しいと必死に、言って来た。

勿論、私も先輩の権田、後輩の早川と

3人で学校への、聞き込みに行ったが

その時には、もう既にかん口令が引かれて

多感期という事で、生徒からの事情を

聞く事も出来なかった。

ただ学校側は何も、変わりが無かったと

言い、現場検証からも不審な点が見当たらず

自殺で処理する事に、なったが、それが

間違っていた。

そして、その事によって、有能な高井夫婦を

《復讐の鬼》へと変貌させてしまった。


その事件以降、私は以前より尚、証拠の

見落とし、聞き込み、被害者のケアを

徹底して仕事を、やって来た。

署に行くと、相変わらず能天気な早川が


「柊さん、おはようっす、コーヒーを

入れましょうか?」


「おい早川!お前は何年、同じ事を言わせ

るんだ!何で柊が1番なんだよ!」


「だって柊さんは、可愛いいっすから!

ね~柊さん」


「ね~早川」


「お前達、2人は本当に成長しないな!」


怒る権田さんが居た。

そこに、電話が鳴った。


「はい……了解です」


と、権田さん。


「事件だ、行くぞ!」


「はい!」


「はい!権田さん、どんな事件ですか?」


移動しながら話をする。


「強盗が人質を取って、立てこもってる

そうだ!」


「急がないと!」


「あ~早く、拳銃を準備しろ!」


「はい!」


「はい!」


そして現場に向かう3人。

現場はコンビニだった。

中を見ると、女性が人質に取られている。


「権田さん、入り口は1ヵ所ですか?」


「いや、もう1ヵ所有るそうだ」


「じゃあ、そこから私が入って、トイレに

居た振りをします」


「おい!お前1人で行く気か?」


「だって、このままじゃ、正面からは

無理でしょう?それに相手が女性だと

犯人にも隙が出来ますよ、じゃ!」


と言って、私はもう1ヵ所のドアから入り

トイレに忍び込んだ。

そこで様子を見て、背後から犯人の包丁を

持っている手に、思いっきり空手の突きを

かまして、犯人が包丁を落とした隙に

人質を確保して、犯人と距離を空ける。

それを見ていた権田さん達が、いっせいに

店内に突入して来る。

犯人は直ぐに、捕まった。

私は人質の女性に


「怪我は無い?」


「はい」


震えている。


「怖かったね」


「はい」


泣き出す彼女を、抱えて背中をさする。

全てが終わって、早川が入って来た。


「柊さん、相変わらず強いっすね!」


「あんた、何処に居たの?まぁ、いいわ

何か飲み物を買って来て」


「はい!ラジャーっす!」


私は、その飲み物を彼女に渡して


「ゆっくり飲んで、多分、色々聞かれる

けど、ごめんね」


そう言って、署に戻ろうとした時、彼女が


「強いですね!ありがとうございました!」


と言ってくれた。

その言葉は、私にとって最高のご褒美だった

のだ。

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