第35話

せき』はおこった。

『復活の日』たちに『天罰』はくだった。

 ハンナはおもう。奇蹟はおこるのよ。何度でもおこるのよ。かんたるハンナばあさんやきつきゆうじよたる歩兵たちは装甲車のなかから目撃した。すい色のきゆう窿りゆうをまいおどっていたエンジェルやアークエンジェルおよびプリンシパリティーたちがれつをなして巨大なる『天使の輪』状にかいてんしはじめたかとおもうと『天使の輪』のなかに四つのせんこうが明滅した。かくやくたる光明にみなが一瞬喫驚すると虚空に四柱の巨大なる『天使』が降臨された。瑠璃色のよろいかぶとをまとい『堕天使を討ったつるぎ』を掌握しているミカエル・どういろよろいをまとい正義のやりをにぎっているラファエル・れん色のよろいをまといこうかんなる書物をかかえているウリエル・せいぼくなる白布をまといかいれいなる百ゆりをにぎりしめているガブリエルの『四大熾天使』であった。四大熾天使はミカエルをさんてんとして十字架型に虚空をゆうえいほうはくたる大地にしようりつするアレッポ城をはるかしている。凄絶なる眼光のミカエルがおっしゃる。のたまわく『おなじ神とおなじ天使をしんじるものたちよ。なんじ等の信仰は一柱の神を分断せしめるものなり。ゆえにここにおなじ神をしんじるものらの希求のためになんじ等に天罰をばくださん』と。

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