第6話

 ハンナばあさんは物語った。

 けんらんごうなる東京の大聖堂にてした。

「わたくしは戦前に誕生いたしました。父親はのうのスペイン人の家系で母親はイギリス人のまつえいでした。第二次世界大戦あいあいたるわたくしたち一族はイギリスのロンドンにすんでいました。労働者層の父親が富裕層の母親のもとに婿入りしたわけです。母親の家系はけいけんなるプロテスタントでございましていんの結婚のために父親もカトリックからプロテスタントに宗旨がえいたしました。ように両親が熱心なりすときようであったがためにわたくしも自然とうつぼつたる宗教心がかんようされていったのです。といえどもまだ言葉のよみかきもできないころでしたあのいまわしい第二次世界大戦が勃発して父親は志願兵となりいずこともしれぬ戦場でかえらぬひととなりました。前述のとおりわたくしの母方の家系は裕福でしたので衣食住に難儀することはありませんでしたやがてナチス・ドイツはV2ロケットを製造し連日ロンドンを攻撃しはじめました。しやはんの攻撃によりわたくしの母親はへいごうしやなる邸宅もじんかいめつしてわたくしはいわゆる戦争孤児となったのです。大戦末期によーろつが枢軸国によるろうぜきにさらされるとわたくしはおなじかんどくの子供たちとともにアメリカはニューヨークのプロテスタントの教会にひきとられました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る