第13話

第無限宇宙


 わたしの人生も無限回をかぞえました。

 ℵ0回をこえてからかずもかぞえなくなりました。

 無尽蔵にりん転生するわたしすなわち宇宙のなかで人類は無限回誕生しては滅亡してゆきました。この無限回の破滅によって発生したエントロピーをらいわたしはほうはいと成長していったのです。この虚無的なる永遠のりよのなかで人類は科学を進歩させ『現在の宇宙が無限回目である』ことまで証明しました。同時に人類がかぞえきれぬ愚行によってみずから滅亡してきたこともめいちようたらしめたのです。あなたがた人類はこうかくしました。『どうせ膜宇宙はビッグクランチとビッグバンをくりかえしそのなかでわれわれは無意味な歴史をつむぐことしかできない』と。またあなたがた人類はけんかくしました。『千載一遇の好機が無限回も存在するのだからいずれわれわれは永遠の平和を実現するだろう』と。ようにして無限回目の人類は双璧にわかれたいしました。

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