第3話  玉砕

「わ~~ん!! わ~~ん!!」


「だから、言ったのに~~あいつはヤバい奴だって!!」


 今日の授業後、弱みを握っておいた男子生徒に、ジェドを呼び出してもらい、アリシアをお供にして、コクったニナである。

 結果は、100パーセント誰もが予測していた通りであった。


「友達で良いんで、私と付き合ってください!!」


 アリシアは、ニナの後ろに控えていた。

 ジェドの言った言葉は、こうだ。


「たかだか、それだけを言うのに一人で来れないの?」


「えと……アリシアは、親友だから……」


 口ごもるニナに、ジェドは、畳み掛けるように言った。


「僕、おっぱいの小さい子はタイプじゃないんだ。一人で出来ない子も嫌い。

 だから、友達にはなれないね。じゃ僕は、急ぐから」


 アリシアは、後ろで聞いていて非常に腹が立った。

 一言、言ってやろうと前に出たが、彼を呼びに来たのが素行に問題のある優等生のレフ・フレイドルだったのだ。

 彼もSSSランクを確実視されている。

 父親が神殿のトップの三賢人で、叔母がSSSランクのロイル姓の魔法使いだ。

 相手が悪すぎるので、今は撤退してニナを慰める方を優先したのだった。


「ニナ、行こう。」


 大泣きしているニナの肩を抱いて、アリシアは宿舎への戻って行った。

 帰り際、チラリとジェドの方を振り返ったら、ジェドは、もうレフと何か話して笑っていた。

 それで、余計に腹が立って来たのだが、アリシアの視線にレフが気が付いたらしい。

 レフが足を止めて、こちらを見て来た。


 決まり悪くなったアリシアは、足早にそこを去ったのである。

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