制覇

 三十三階層と三十四階層は迷路だったのでくまなく歩いて終了。迷路だと規模が小さいんだよね。壁が金属質なことが多いので金属鉱山になったりする。大抵、迷路の周りは金属質の物体に覆われているので良い鉱山になるんだ、これが。


「さてお待ちかねの三十五階層ですが、大体相場は決まっていましてね」


 三十五階層に侵入すると、円形競技場のような部屋とその真ん中に座るモンスター? かな? それを発見。


「やはりダンジョンマスターの部屋でしたか。探索はこれで終了。報告しにいったん帰るよ」

「戦わないのかニャ?」

「それは討伐担当のお仕事」


 いったん帰還して組合に報告。この後は討伐隊が組まれて討伐するって寸法よ。


「さすがに今回は討伐失敗はないでしょう。ダンジョンマスターは絶対強いってわけでもないし、基本単体だし。召喚はするけどね」

「ほへー。んじゃビールを飲んで待ってようニャ。かんぱーい」

「かんぱーい」


 飲んだくれて数日後、無事に討伐終了報告が組合に届きました。


「これでゆうがおダンジョンは制覇したったわけ。多分探索者MVPに選ばれるだろうから賞金でぱーっとやって、名無しのダンジョンに移動しようか。多分許可が貰えるはずだよ」

「ついにクラリスを追うことが出来るのニャね」

「うん。待っててねアイテムボックス」


 順当にMVPは獲得し、いままでの家は引き払って名無しのダンジョンへ移動する私たち。

 すでに高級ダンジョンになっているらしく(そりゃ九十九階層まである、王族パーティが攻略しているって話のダンジョンだもんね)あまり良い所は借りられなかったけど同じダンジョン内に家があるってのは何かと良いんだよ。


「組合からはクラリスの探索した一個上階層の討伐をお願いされたよ。やっぱり討伐処理が荒くて討伐しきれていないらしい」

「強いんだけど討伐・探索者隊員としてはダメダメだニャ」

「そうそう、強いんだけどねー」


 エレベーターが完成している八十階層まで降りて、そこから討伐がほぼ終わっている八十五階層まで歩く。途中ドラゴンの下位属種が出たりしたけど今の私には問題なく処理できた。いやー強いモンスター出るねえ。モンスターが出るって事は全滅処理が終わってないからくまなく探して駆逐していかないと。


 そんなこんなをやりながら九十階層へ到達。先へ進めど進めどクラリスの探索と討伐が早くて粗くて追いつけない。ここを探索したらクラリスは解散するしそのときにアイテムボックスを回収するかなーその前にアイテムボックス飢え死んじゃうかなーやっぱ追いつかないとなー。

 そんなことを思いながら探索していったのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る