第20話

「鬼は……、いないみたいだね」


クンクン、ピクピク


鼻のいいチビ、耳のいいシロがひなより先に


「じゃあ、いいよね!」


ひなはもう隠れていられません


返事など待たず広場へ飛び出してしまいました




ひなはまたお山へ登ったのです


「おじぞうさま、お守りください」


お父さんに叱られても

お母さんに止められても

チビとシロをお目付け役に


あのあとヒナがどうなったか


そればかりが気になっていたのでした




「いぃち……、にぃ……、さぁん……」


「ヒナは全部、巣にいるわね」


また木に登ったシロが先にいいました


「きっと親鳥さんがもどしたんだ!」


「そんなこと、出来るかしら? あら、これは……」


巣のなかにはきれいなお花が一輪


シロは首をかしげました


「昨日はなかったはず……」


シロがつぶやいたときでした


「かくれて!」


ピンと耳を立てたチビが叫びました

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